2009-01-01から1年間の記事一覧

「慢性痛」がわかる本―メイヨー・クリニック版作者: メイヨークリニック出版社/メーカー: 法研発売日: 2004/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (2件) を見る

谷川浩隆 ストレスと整形外科疾患 日本心療内科学会誌 2009;13(2):84-89

運動器不安定症 高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態 運動器不安定症では転倒しやすく運動機能や生活機能が低下する状態になるため生活機能低下病とも考えられる 運動器疾患と心身症 painful d…

心と体の「痛み学」―現代疼痛医学はここまで治す作者: スコットフィッシュマン,Scott Fishman,橋本須美子出版社/メーカー: 原書房発売日: 2003/02メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (5件) を見る

細井昌子 慢性疼痛の系統的治療における心身医学的治療の位置づけ Medical ASAHI 2009 Jun 62-63

迷宮入り症例 学習性疼痛と精神医学的メカニズムによる疼痛 臨床的な慢性疼痛は、侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、心因性疼痛が、各症例の各時点で様々な割合で混在した複合体で考えることが重要である 質的に異なる痛みの複合体を合併した不快な感覚情動体…

Medical ASAHI 2009 Jun

森山萬秀 慢性疼痛治療におけるペインクリニック医師の役割 Medical ASAHI 2009 Jun 55-57 当科を受診する慢性疼痛疾患は多岐にわたる。その多くは、薬物療法に抵抗する神経障害性疼痛や筋肉に起因する疼痛である 痛み刺激が脊髄後角に入力されることで、疼…

池本竜則、牛田亨宏 痛みの脳内画像診断 整災外 2009;52:497-505

健常人の痛覚認知脳イメージング研究に関するメタ解析 Apkarian 侵害刺激、いわゆる痛刺激をくわえると、脳内では主として視床、島、前帯状回および体性感覚野(S1,S2)、前頭前野等に神経活動が生じることを報告 さらにS1,S2の活動頻度に関してはEEG,MEG研究…

笠井裕一 痛みの種類とその表現 整災外 2009;52:479-482

痛み感覚体験、情動体験 怒哀楽に代表される個人的な感覚であり、元来他人とは共有できない性質 痛みの時間的分類 急性疼痛、慢性疼痛 病態生理学的な分類 侵害受容性疼痛(内臓痛、関連痛、体性痛)、神経因性疼痛、心因性疼痛 竹林康雄、山下敏彦 痛みに関…

痛みの病態生理学第13回

熊谷幸治郎 痛みの病態生理学第13回 薬物療法および神経ブロック療法の病態生理学的考察 理学療法 2008;25(12):1678-1685 こうした慢性の痛みは手術や薬では治せない。チームとしての治療を行うことが必要 局所麻酔薬を用いた神経ブロックを行い、一時的で…

急性痛と慢性痛

小川節郎 急性痛と慢性痛 日医雑誌 2009;138(2):320-321 世界疼痛学会の疼みの定義 組織の実質的な損傷あるいは潜在的な傷害に関連して起こるか、またはそのような傷害を表す言葉をつかって表現される不快な感覚および情動体験 発生機序による分類 侵害受容…

痛みの伝導と神経伝達物質

中塚映政、谷口亘、藤田亜美、熊本栄一 痛みの伝導と神経伝達物質 整災外科 2009;52:449-459 痛みの主に組織の損傷によって生じるが、痛みの発生にはカリウム、ATP、セロトニン、ヒスタミン、ブラジキニン、サブスタンスP、プロスタグランジンなどの発痛物質…

CRPS type II患者への抗うつ薬投与は意義があるか?

仁井内宏、弓削孟文 CRPS type II患者への抗うつ薬投与は意義があるか? EBM ジャーナル 2005;6(4):478-483 CRPS 1994 IASP 外傷などの後に罹患部位より通常は末梢側に局所的に生じ、その侵害事象の程度に不釣り合いに強く、長期に渡って持続し、時に柔道の…

帯状疱疹痛への神経ブロック療法は有効か?

平田和彦、比嘉和夫 帯状疱疹痛への神経ブロック療法は有効か? EBM ジャーナル 2005;6(4):472-476 侵害受容性疼痛 生理的痛み、侵害受容器の興奮により発生する痛み。抜歯後、打撲、切り傷、炎症の痛み 神経因性疼痛 非生理的痛み、侵害受容器の興奮を介さ…

柴田政彦 精神科的アプローチ  EBM ジャーナル 2005;6(4):462-466

慢性疼痛の多くは器質的原因に心理的要因が付加して病態を長期化し複雑化していることがほとんどである。痛みが身体的なものか心理的なものか2者択一的に評価することは事実上不可能である。 心理的アプローチは必ずしも心因性の痛みに対してのみ行う治療法…

疼痛治療とリハビリテーション

大国生幸、原田孝 疼痛治療とリハビリテーション EBM ジャーナル 2005;6(4):456-461 理学療法とは、運動や物理刺激に対する生体の生理的反応を利用して鎮痛、柔軟性、可動性、循環の改善、身体アライメントの改善、拘縮、変形の矯正、筋力増強、持久性体力の…

痛みに対する光線療法の有効性を裏付ける基礎研究について

細川豊史 痛みに対する光線療法の有効性を裏付ける基礎研究について EBM ジャーナル 2005;6(4):450-455 光線療法には、低反応レベルレーザ、直線偏向近赤外線、キセノン光を用いた治療機器がある。 直線偏向近赤外線、キセノン光は温熱刺激効果もあるので、…

慢性と疼痛に対する薬物治療

中村卓、佐伯茂 薬物治療 ステロイドホルモン EBM ジャーナル 2005;6(4):424-427 ステロイドホルモンの鎮痛機序 明確な機序は不明 神経の浮腫に対する抗浮腫作用、抗炎症作用(PG抑制 ) 副作用 感染症の誘発、増悪、骨粗鬆症、骨折、副腎不全、離脱症候群、…

痛み治療に必要なEBMの知識

森脇克行 痛み治療に必要なEBMの知識 EBM ジャーナル 2005;6(4):410-416 国際疼痛学会 痛みの定義 何らかの組織損傷が起こったとき、あるいは組織損傷が起こりそうなとき、あるいはそのような損傷の際に表現されるような、不快な感覚および情動体験 痛みは主…

痛み疾患の分類と痛みの発生機序

表圭一 痛み疾患の分類と痛みの発生機序 EBM ジャーナル 2005;6(4):400-408 1979 国際疼痛学会 IASP 痛みの定義 組織の実質的あるいは潜在的な障害に関連して起こる、またはこのような障害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚および情動体験 痛みは複雑…

看護者発 痛みへの挑戦作者: 深井喜代子出版社/メーカー: へるす出版発売日: 2004/05メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (1件) を見る看護に役立つ臨床疼痛学作者: 柳田尚出版社/メーカー: 日本看護協会出版会発売日: 1996/01メディア: 単…

慢性疼痛の集学的治療

北原雅樹 慢性疼痛の集学的治療 ー日本の現状を分析して 慢性疼痛 2003;22(1):39-42 MPT (multidisciplinary pain treatment)は治療モデルのパラダイムシフトの上に成立している 従来の板に治療の考え方 生物医学モデル 痛みには生物医学的原因がかならずあ…

柴田政彦、井上隆弥、松田留美子、住谷昌彦、真下節 大阪大学医学部麻酔科での実践と課題 ペインクリニック 2003;24(10):1352-1356

事故後の遷延性疼痛や医療行為の後に長期間続く痛みの場合、その頃までは微細な神経損傷や神経系のsensitizationなどをその理由として考えていたが、むしろオペラント機序に基づく疼痛行動の学習という見方の方が妥当である症例の方がはるかに多いという考え…

慢性疼痛におけるチーム医療の実践と課題

ペインクリニック 2003;24(10)の特集は「慢性疼痛におけるチーム医療の実践と課題」有田英子、花岡一雄 東京大学医学部付属病院麻酔科痛みセンターでの実践と課題 ペインクリニック 2003;24(10):1336-1343 慢性疼痛症例においては、患者自身が苦しむだけでな…

痛みの識別、情動、認知に関わる神経回路

仙波恵美子 痛みの識別、情動、認知に関わる神経回路 ペインクリニック 2003;24(10):1381-1388 痛みの三つの側面 感覚ー識別的 sensory-discriminative 痛みの部位、強度、持続などの分析 感情ー情動的 affective-motivational 痛みにより起こる不快な感情 …

反射性交感性ジストロフィー

吉本陽二、佐藤睦美、林剛彦 反射性交感性ジストロフィー 理学療法 2006;23(1):298-302 痛みの悪循環モデル 痛みが生じたときに現れる最も一般的な心理的反応は不安と抑うつである 続いて、痛みが長期化すると抑うつが生じ、四六時中痛みのことが頭から離れ…

痛みの臨床1,2

花岡一雄 痛みの臨床1 シリーズ痛みの臨床によせて 日医雑誌 2009;138(1):83 長時間にわたって痛みに苦しんでいると、痛みが脳内に記憶されることになり、元来の病気が治癒したとしても痛みだけが取り残されることがまれではない 病状は類似であるものの、…

痛みの捉え方

黒澤和生 痛みの捉え方 理学療法 2006;23(1):45-50 臨床的な痛みの分類 侵害受容性疼痛(体性痛(表在痛と深部痛)と内臓痛)、神経因性疼痛、心因性疼痛 期間による分類 急性痛、慢性痛(神経因性疼痛が多い、侵害受容線維の自由終末は関与しない) 痛みの理学…

痛みを有する患者に対する理学療法士の心構え

荒木茂 痛みを有する患者に対する理学療法士の心構え 理学療法 2006;23(1):40-44 苦労した人、悲しみを乗り越えた人は、弱い立場の人には優しくすることができる能力を身につけるだろう 急性期の痛みは身体に対する警告信号であり、患者にとって痛いことは避…

痛みに対する徒手療法

覚張秀樹、広瀬統一 痛みに対する徒手療法 ーストレッチング 理学療法 2006;23(1):178-184 二次痛は、その痛みが慢性化するほど、痛みの部位の判別が困難となる 二次痛は、イライラや消極的な思考などの心理的作用によっても症状を悪化させてしまうことに留…

水野泰行、福永幹彦、中井吉英 疼痛患者における痛みの強さ、辛さ、心身関与バランスの関係 慢性疼痛 2008;27(1):49-54

IASPの定義によると疼痛とは「不快な感覚的および情動的な体験」であり、「不快でなければ疼痛と呼ぶべきではない」とされている つまり疼痛は常に不快感をともなうものであり、その治療にあたっては情動的側面を考慮すべきである Lethem 恐怖のために痛みを…

疼痛ー筋スパスムー疼痛サイクルに関する実験的アプローチ

朝野裕一、熱田裕司、向井康詞 疼痛ー筋スパスムー疼痛サイクルに関する実験的アプローチ ーin vitro標本を用いて 北海道理学療法 1991;8:29-32 痛みが筋緊張を、筋緊張が痛みを引き起こして、いわゆる疼痛ー筋スパスムー疼痛サイクルといわれる悪循環を形成…