内受容感覚

疼痛の神経心理学

森岡周 疼痛の神経心理学 ー身体性と社会性の観点から 神経心理学 2016;32(3):208-215 痛みの分類 感覚的側面、情動社会的側面、認知身体的側面 痛みの情動・社会的側面のメカニズム 内側前頭前野と側坐核のコネクティビティの強さと痛みの不快感の程度には…

高度情報社会におけるアイデンティティの変容 ー内受容感覚への注目

濱野清志 高度情報社会におけるアイデンティティの変容 ー内受容感覚への注目 心身医 2021;61:158-163 テレワークをすることが増えて改めて感じることは、きわめて私的な空間にいながら仕事向けの顔を使うという体験の微妙な居心地の悪さである 内的空間がど…

いま」を作り出す身体反応の受容・制御と感情 ー島皮質の機能からの考察ー

寺澤悠里 「いま」を作り出す身体反応の受容・制御と感情 ー島皮質の機能からの考察ー 神経心理学 2018;34(4):289-298 身体状態が恒常状態から離れると前部帯状回、両側島皮質、視床、脳幹といった内受容感覚に関わる部位の活動がみられる 島皮質 内受容感覚…

予測低符号化・内受容感覚・感情

大平英樹 予測低符号化・内受容感覚・感情 エモーション・スタディーズ 2017:3(1):2-12 身体化された予測的内受容符号化モデル Embodied Predictive Interoception Coding Model : EPIC model) 予測符号化 脳は、感覚器官から入力される刺激に受動的に反応し…

精神症状と内受容感

是木明宏 精神症状と内受容感覚 神経心理学 2019;35:187-196 Charles Sherington 英 生理学者 ノーベル賞受賞者 感覚の機能的分類 外受容感覚(exteroception)、固有受容感覚(proprioception)、内受容感覚(interoception) 内受容感覚 身体全体のホメオスタシ…

感情認識と内受容感覚 ー感情関連疾患と内受容感覚の下位概念について

寺澤悠里 感情認識と内受容感覚 ー感情関連疾患と内受容感覚の下位概念について バイオフィードバック研究 2017;44(2):97-101 James(1884)は、感情とは”身体的変化から興奮しているという事実を感じ取ること”であると定義し、”速い心拍、深い呼吸、唇のふる…

内受容感覚と感情の複雑な関係

福島宏器 内受容感覚と感情の複雑な関係 ー寺澤・梅田論文へのコメント 心理学評論 2014;57(19):67-76 心身相関の複雑なあり方 1 内受容感覚がどのように評価・推測されるか 2 内受容感覚がどのように(どの程度)感情に寄与するか 1-1 身体の評価 Schachter…

心身症とアレキシサイミア ー情動認知と身体性の関連から

守口善也 心身症とアレキシサイミア ー情動認知と身体性の関連から 心理学評論 2014;57(1):77-92 感情の元となる動物的・原始的心身の状態と、実際出来上がる「感情」という反応物は厳密には異なるのである 感情の元となる動物的・原始的な心と体の状態を「…

内受容感覚と感情をつなぐ心理・神経メカニズム

寺澤悠里、梅田聡 内受容感覚と感情をつなぐ心理・神経メカニズム 心理学評論 2014;57(1):49-66 James (1884) 感情とは”身体的変化から興奮している事実を感じ取ること”であると定義し、”速い心拍、深い呼吸、唇のふるえ、l鳥肌、内臓の動きといった身体的…

情動を生み出す「脳・心・身体」のダイナミクス:脳画像研究と神経心理学研究からの統合理解

梅田聡 情動を生み出す「脳・心・身体」のダイナミクス:脳画像研究と神経心理学研究からの統合理解 高次脳機能研究 2016;36(2):265-270 情動とは、本来、生体が生き延びるために、敵と闘ったり、敵あkら逃げたりすることによって危険を回避するうえで生じる…

脳画像研究で検証する中枢神経感作病態

関口敦 脳画像研究で検証する中枢神経感作病態 心身医 2021;61:165-171 心身症患者では、体性感覚や内受容感覚など末梢からの刺激に対する中枢系の過剰反応が中枢神経感作病態として評価されていると考えられる 近年、ストレス関連疾患の身体症状の認知科学…

慢性疼痛患者へのマインドフルネスアプローチの事例

山本和美、中居吉英 慢性疼痛患者へのマインドフルネスアプローチの事例 ー内受容感覚の視点を交えて 心身医 2021;61:147-152 内受容感覚は、身体内部の生理状態の感覚を指す概念であり(Craig 2002)、内受容感覚の感度の程度や知覚の認知の仕方は、心身の健…

内受容感覚に基づく行動の制御

大平英樹 内受容感覚に基づく行動の制御 BRAIN and NERVE 2017;69(4):383-395 痛み信号は脊髄を上向し、視床を経由して一次体性感覚野に到達し、二次性体性感覚野と島皮質に向かう また視床から直接、帯状皮質、扁桃体、そして島皮質に向かう経路もある 前者…

マインドフルネスと内受容感覚

山本和美 マインドフルネスと内受容感覚 身の医療 2017;3:18-24 マインドフルネス瞑想の練習を積み重ねていくにつれ、自己の内外の事象の関係性において生じるストレス反応などの身体感覚や思考、感情への気付きが高まり、それまで”自動操縦状態”で反応して…

内受容感覚の概要と研究

庄子雅保 内受容感覚の概要と研究 身の医療 2017;3:13-17 身体反応や身体感覚、特に身体内部の感覚は内受容感覚と呼ばれる 内受容感覚はイギリスのシェリントンによって生み出された言葉 3つの感覚 外受容感覚 触覚、聴覚、視覚などを介して外部環境を捉え…

身体を通して感情を知る 内受容感覚からの感情・臨床心理学

福島宏器 身体を通して感情を知る 内受容感覚からの感情・臨床心理学 心理学評論 2018;61(3):301-317 内受容感覚 一般には内臓感覚と呼ぶ 身体の内部世界の状況(生理状態)をモニターするもの 無意識な処理 この感覚の脳内処理が、身体からの極めて多様かつ…

内受容感覚の予測的処理から理解する身体症状症

上野大介 内受容感覚の予測的処理から理解する身体症状症 精神医学 2020;62(12):1597-1600(ここ数年の文献で一番興味深かった by ucymtr) 本稿では、内受容感覚の脳神経基盤に関する知見を紹介し、身体症状症の病態が内受容感覚の予測的処理に基づく予測誤…