2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

疼痛と精神科 3

西松能子 疼痛と精神科 麻酔 2003;52:S83-93 著者らの疼痛患者への治療的取り組み 身体的精査結果について、身体科の主治医を交えて患者に十分説明し、重大な疾患が存在しないことを説明する (症状の説明) 痛みの生じた状況と自分自身の反応(感情、考え、…

疼痛と精神科 2

西松能子 疼痛と精神科 麻酔 2003;52:S83-93 疼痛行動あるいは慢性疼痛に対する理論的説明 慢性の疼痛患者の臨床像について、実際の知覚としての疼痛と、疼痛をめぐる随意行動に分ける考え方がある Fordyce 疼痛をめぐる随意行動を“疼痛行動 pain behavior”…

疼痛と精神科 1

西松能子 疼痛と精神科 麻酔 2003;52:S83-93 原因不明の疼痛の訴えの3割から4割の症例は、身体的原因、心理的要因のいずれも特定されない しばしば精神科において、心因すなわち明らかな社会心理的適応不全や心理的要因を見いだせないような場合がある。通…

下行性抑制系と慢性疼痛

小幡英章 下行性抑制系と慢性疼痛 麻酔 2005;54:S173-S182 脳幹から脊髄後角に投射する抑制性の経路でよく知られているのは、ノルアドレナリン(NA)とセロトニン(5-HT)作動性下行性抑制系である NA作動性下降性ニューロン 起源 第四脳室外側部のlocus coeru…

急性腰痛と危険因子ガイド作者: ニュージーランド事故補償公団,長谷川淳史出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2010/04/13メディア: 単行本 クリック: 19回この商品を含むブログ (1件) を見る原典はここ イエローフラッグとは、腰痛による長期障害や失業のリスク…

「ほどほど健康術」腰痛

日経の連載「ほどほど健康術」。岡田正彦教授による健康に関するさまざまなテーマについてエビデンスに基づいた文章。 9/12/2010のテーマは腰痛 最新の画像診断装置を使った研究によれば、腰痛があっても85%の人には異常がまったくみつからない。研究が進む…

痛みの病態生理第22,23回

瀬尾憲司 痛みの病態生理第22回 臨床痛の要因分析:三叉神経領域の病態生理 理学療法 2009;26(10):1252-1262 三叉神経 知覚 頭頚部または口腔・顔面領域の知覚、痛覚 第一枝 眼神経 第2枝 上顎神経 第3枝 下顎神経 運動 咀嚼筋運動 末梢における痛覚…

痛みの病態生理 第20,21回

下山直人、下山恵美 痛みの病態生理第20回 臨床痛の要因分析:がんの痛みの病態生理 理学療法 2009;26(8):1017-1024 熊谷幸治郎 痛みの病態生理第21回 臨床痛の要因分析:帯状疱疹後神経痛の病態生理 理学療法 2009;26(9):1143-1148 帯状疱疹は水疱…

強迫傾向のある慢性疼痛患者に対する治療戦略の検討

永岡三穂、村上典子、福永幹彦 強迫傾向のある慢性疼痛患者に対する治療戦略の検討 心身医 2010;50:155-158 慢性疼痛と関連が深いとされる痛みの認知様式として、catastrophizing,破局的思考が挙げられるが、強迫神経症の認知様式も同様に脅威の過大評価、一…