細井昌子

社会的敗北ストレスとミクログリア

細井昌子 社会的敗北ストレスとミクログリア 心身医 2016;56(11):1074-1075 安全基地 幼少期に養護者から愛情を受け、適切に保護されることで得られる 適切に保護されない環境においては、自らを守る機能が備わらないと社会的敗北ストレスを受け続け、生体内…

慢性疼痛に対する心理的アプローチ ー嫌悪現象との付き合い方を習得するレッスン

細井昌子 慢性疼痛に対する心理的アプローチ ー嫌悪現象との付き合い方を習得するレッスン 医学と薬学 2020;77(1):47-52 「何か大きな身体疾患がこれから発症するのではないか」という不安が脅威となり、慢性の痛みを抱えたまま日常の生活を楽しむには、「気…

第2章 日本における慢性疼痛難治化の実態を考える ー心身医学の立場から

日本は慢性疼痛にどう挑戦していくのか細井昌子 第2章 日本における慢性疼痛難治化の実態を考える ー心身医学の立場から 九州大学心療内科を慢性疼痛で受診する症例の共通点 1 父母どちらか一方あるいは療養が厳格すぎたり、過干渉であったり、全く鑑賞がな…

慢性疼痛難治例に対する段階的心身医学的治療

細井昌子 慢性疼痛難治例に対する段階的心身医学的治療 心身医 2018;58:404-410 難治化例 自身の過去の不快情動と向き合うことが極端に苦手な失感情症(アレキシサイミア)傾向が強い 寡黙であったり、多弁であっても本当につらい部分は語らず、本質的ではな…

慢性疼痛と養育環境 難治化の背景

細井昌子、小幡哲嗣、川田浩、富岡光直、有村達之、久保千春、須藤信之 慢性疼痛と養育環境 難治化の背景 ストレス科学 2011;25(4):289-296 社会的疎外感、死別、不公平な待遇、嫉妬、罪悪感などで活性化される脳の領域が痛みの情動成分に関与する部分と共通…

痛みのカウンセリング

田代雅文、細井昌子 痛みのカウンセリング:受容を目指した治療的対話の創造 Practice of pain management 2013;4(3):164-171 現在の症状のみを「その症状をもつ人間が生活している背景」から切り取って、医学生物学的モデルだけで解釈しようとすると、理解…

慢性疼痛医療における「支える医療としてのマインドフルネスプラクティス」のすすめ

田代雅文、有村達之、細井昌子 慢性疼痛医療における「支える医療としてのマインドフルネスプラクティス」のすすめ:忙しい日常診療に悩むすべての医療スタッフに有用な心理学的方法 日本運動器疼痛学会誌 2015;7:190-195 「強くて何度も知っている(と思っ…

慢性疼痛の心身医学的診察

田代雅文、山田信一、山本洋介、伊達久、細井昌子 慢性疼痛の心身医学的診察:治療的対話の工夫 慢性疼痛 2013;32(1):79-87 痛みは「感覚+不快情動」体験なので、深い情動へのアプローチとして治療的対話が重要となる 「だからそれはその、起こした原因だけ…

慢性痛患者の心理アセスメントのキーポイント 慢性痛と怒り

田村雅文、有村達之、細井昌子 慢性痛患者の心理アセスメントのキーポイント 慢性痛と怒り 日臨麻会誌 2017;37(3):388-396 痛みの強さそのものよりも理不尽感を治療対象とする認知的アプローチは、慢性痛患者において有用であると筆者は考える ”取り返しのつ…

心理社会的因子が影響している痛みへのアプローチ

細井昌子 心理社会的因子が影響している痛みへのアプローチ JOHNS 2016;32(5):629-632 痛みの定義 国際疼痛学会 1994 組織の実質的あるいは潜在的な傷害に結びつくか、このような傷害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚・情動体験 つまり、本人が痛いと…

線維筋痛症の心身相関と全人的アプローチのための病態メカニズムの理解

細井昌子、安野広三、早木千絵、富岡光直、木下貴廣、藤井悠子、足立友理、荒木登茂子、須藤信行 線維筋痛症の心身相関と全人的アプローチのための病態メカニズムの理解 心身医 216;56(5):445-451 線維筋痛症では、デフォールトッモードネットワークと呼ばれ…

身体症状からの心理アセスメント

荒木登茂子、細井昌子 身体症状からの心理アセスメント 体から心へのメッセージをひきだすワーク 慢性疼痛 2014;33(1):53-59 治療にあたっては、生育歴・生活歴を重視し、抑制・抑圧された感情に注目し、情動の表出を促し、体感の正常化を促す。そのためには…

慢性疼痛難治例に対する入院マネジメント

川久保宏美、井上豊子、山下敬子、河田浩、安野広三、貴船美保、細井昌子 慢性疼痛難治例に対する入院マネジメント 心身医学的観点からの工夫 慢性疼痛 2014;33(1):187-194 なぜそのような言動を起こすのか患者独特の認知行動パターンや失感情的な過活動に注…

生き方習慣病としての慢性痛:久山町研究、心療内科臨床から慢性痛難治化のスリーヒット理論まで

細井昌子、柴田舞欧、安野広三、岩城理恵、早木千絵、西原千絵、須藤信行 生き方習慣病としての慢性痛:久山町研究、心療内科臨床から慢性痛難治化のスリーヒット理論まで 医薬品レギュラトリーサイエンス 2015;46(10):674-680 患者自身が意識している心身の…

慢性痛の心身医学 心理社会的因子の同定と自律神経失調に伴う苦悩の理解

細井昌子 慢性痛の心身医学 心理社会的因子の同定と自律神経失調に伴う苦悩の理解 心身医 2015;55(11):1208-1216 九州大学病院心療内科では、慢性痛難治例に対して外来および病棟で病態評価を行う際にライフレビューを行い、背景となる心理社会的因子を同定…

慢性痛難治化の心理社会的因子 養育スタイルとアレキシサイミア 痛みのclinical neuroscience 7

細井昌子 慢性痛難治化の心理社会的因子 養育スタイルとアレキシサイミア 痛みのclinical neuroscience 7 最新医学 2016;71(1) 104-107 慢性痛難治例の治療に当たり、「慢性痛という疾患」を治療するのではなく、「慢性痛を抱えた人を支える」という発想で治…

適切な心理的距離を保つことが有用であった慢性痛の2症例

境徹也 適切な心理的距離を保つことが有用であった慢性痛の2症例:患者の思い込み、医師の思い込み ペインクリニック 2015;36(11):1551-1559 大学のペインクリニックに紹介される患者の多くは、単純に良くなることは少ない。そのため長期化することも多い。…

細井昌子 女丈夫症候群と慢性疼痛 ナラティブでみる日本人女性の危機 心と社会 2013 No. 152 p49-56

通常は適応あるいは過剰適応 しているその女性たちが病理性を帯びるのは、強迫性を背景とした過活動傾向程度が強くなった時である いわゆる、過剰適応している 女性たちと異なる以下の条件が複数そろった場合であるようである 自分の率直な感情を感じ取り、…

幼少期の虐待を背景とした根強い不信により維持されていた20年来の

西原智恵、河田浩、松下智子、安野広三、牧野聖子、須藤信行、細井昌子 幼少期の虐待を背景とした根強い不信により維持されていた20年来の慢性疼痛性障害に対する段階的心身医学的治療 慢性疼痛 2012;31(1):35-39 支持的面接をくり返すなか、不信や敵意の…

慢性痛患者の苦しみと向き合う視点:心身医学的見地から

岩城理恵、細井昌子 慢性痛患者の苦しみと向き合う視点:心身医学的見地から 薬局 2015;66(9):2534-2539 慢性の痛みが問題となるのは、それによって社会的な活動や関わりが制限され、痛みに過度に注意が向いて、「痛みが生活(人生)そのもの」となっている場…

慢性疼痛に対する心理的アプローチと薬物療法

岩城理恵、細井昌子 慢性疼痛に対する心理的アプローチと薬物療法 医学と薬学 2015;71(9):1497-1506 難治性の慢性疼痛患者の発症前後の生活環境を細やかに聴くと、仕事でも家事でも強迫的に行い過活動となっている場合が多い。その背景には、養育環境で培わ…

細井昌子、小幡哲嗣、河田浩、富岡光直、有村達之、久保千春、須藤信行 慢性疼痛と養育環境 難治化の背景 2 ストレス科学 2011;25(4):289-296

社会的疎外感、死別、不公平な待遇、嫉妬、罪悪感などで活性化される脳の領域が、痛覚の情動成分に関与する脳部位と共通することもわかっている 心療内科に入院となる慢性疼痛の症例では、2−3倍の割合で女性が多く、慢性疼痛女性患者の母親たちは息子たち…

細井昌子、小幡哲嗣、河田浩、富岡光直、有村達之、久保千春、須藤信行 慢性疼痛と養育環境 難治化の背景 1 ストレス科学 2011;25(4):289-296

難治化を促進する因子 医療不信・疼痛行動(痛みの存在を示す行動)・破局化・依存性・怒りや攻撃性・対人過敏性・失感情(自身の感情への気づきが困難)傾向・過活動 治療を阻害する因子 知的あるいは情緒的発達障害の存在、パーソナリティ障害(自己愛性、…

細井昌子 慢性疼痛患者によくみられる訴えのNBMとEBM 心身医 2015;55(1):26-33

本稿では、診療でよく耳にするフレーズが現代医学のどのようなevidenceと関連していると考えられるか解説した 「こんなに痛いのはどこかに痛みの原因があるはずです」 外側脊髄視床路 (強さ、場所) 内側脊髄視床路 (不快感) これらの痛覚伝導路と不快情…

慢性疼痛の心身医学的診療:治療的対話の工夫

田代雅文、山田信一、山本洋介、細井昌子 慢性疼痛の心身医学的診療:治療的対話の工夫 慢性疼痛 2013;32(1):79-87 疾病利得という見方は症状が持続しているメカニズムを医療側が説明するのには便利だが、疼痛行動の背景の本質的な患者の苦悩や葛藤に対して…

心療内科における腰痛症の治療 1

柴田舞欧、細井昌子 心療内科における腰痛症の治療 臨床と研究 2014:91(11):1431-1438 精神分析理論 さまざまな感情や苦悩を無意識下に抑圧することで身体化(身体症状として現れる)するという観点から、抑圧された感情や苦悩を患者自らの言葉で語ってもら…

細井昌子:第 4 章 心身症各論 疼痛性障害.最新医学別冊・新しい診断と治療のABC 78:127−134, 2013

痛みが、「潜在的な障害に結びつくか、このような障害を表す言葉を使って述べられる」という主観的な体験であると定義されていることから、人が痛いと言葉で表現するもに対して、「本当の痛みではない」と他者が否定することは理論的に成立しないことにもな…

慢性疼痛を持つ患者に対する認知行動アプローチ

柴田舞欧、安野広三、細井昌子 慢性疼痛を持つ患者に対する認知行動アプローチ Anet 2014;18(1):23-27 認知行動療法を行うための土台作り;信頼関係の形成と慢性疼痛の心理教育 信頼関係形成の4つのコツ 傾聴、共感、認証 傾聴はうなずきながら、患者のいう…

細井昌子 神経障害性疼痛を合併した慢性疼痛患者の心理と心身医学的アプローチ 医学のあゆみ 2013;247(4):339-343

2011 神経障害性疼痛の定義 Pain caused by a lesion or disease of the somatosensory system (体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛) CRPSで近年注目されている徴候 neglect-like syndrome, motor-neglect,空間認知の障害(spatial probl…

細井昌子  (3) 痛みの心身医学的診断の進め方-実存的苦悩の明確化のために Modern Physician 34(1): 13-17, 2014.

痛み治療において、多数の医療機関を受診しても満足できないために、病院を転々とし、心療内科を受診されることになる患者が多く、心身医学的診断として、現在の痛みを語っていただくことがまず重要である 問題は、「本人が痛いという言葉で表す体験」に対し…