2009-01-01から1年間の記事一覧

住谷昌彦、宮内哲、柴田政彦、真下節 病的痛みは視覚と相補的(cross-modal)である 麻酔 2007;56:S71-77

視覚と体性感覚は、身体周囲の環境を知るための環境系として生理的条件においてはお互いの認知に影響を与え合う相補的な(cross-modal)な関係であることが知られている 病的痛みが視覚に与える影響 暗条件では健常者の主観的自己正中はやや左にずれ、左CRPS患…

痛みの臨床 13、14

世良田和幸 痛みの臨床13 痛みと漢方 日医雑誌 2009;138(6):1386-1387 漢方学的には痛みは六淫(風、寒、湿、熱、燥、火)と呼ばれる環境要因や七情(喜、怒、憂、思、悲、恐、驚)と呼ばれるさまざまなストレスが原因で、体内を巡っている、気、血、水が停…

細井昌子 慢性疼痛の系統的治療における心身医学的視点の重要性 - 心療ペインクリニックの勧め  ペインクリニック 2009;30(8):1058-1067

国際疼痛学会の痛みの定義 組織の実質的あるいは潜在的な障害に結びつくか、このような障害をあらわす言葉をつかって述べられる不快な感覚、情動体験 ここで注目すべきなのは、主観的な痛み体験だけでなく、情動体験を含めて「痛み」と定義し、ヒトが言葉を…

住谷昌彦、宮内哲、山田芳嗣 CRPSの運動障害の脳内機序と新規治療戦略 Pain Clinic 2009;30(7):922-928

CRPS患肢の運動障害が大脳の特定部位の活動と関連することも明らかにされている ヒトに備わっている各種感覚情報は、身体周囲の環境と環境内における自己身体の位置情報と姿勢を知覚することに利用され、その感覚情報から自己身体の運動イメージを形成し、運…

細井昌子 慢性疼痛と心 - Damasioのsomatic marker hypothesisの概念から ペインクリニック 2009;30(7):939-945

胸は心拍など自律神経活動の変化を感じ取る「体」の代表で、「脳と体が統合した核心的な自分の本当の姿」を「心」と呼んでいるのかもしれない 心療内科は「心身一如」という言葉もあり、「生育環境による個々の条件付けによって形成された脳における神経回路…

荻野祐一、斎藤繁 痛みと情動 ペインクリニック 2009;30(7):914-921

痛みは、不快な身体的感覚を伴うものであるが、もはや「痛みは情動である」といっても全く過言ではない pain matrix 痛み関連脳領域という概念は脳磁図やfMRIなどの非侵襲的な機能的脳画像法の出現と発達により、痛みに関わる脳部位の局在と役割が徐々に明ら…

牛田享宏、末冨勝敏、下和弘、大須賀友晃、新井健一、池本竜則 慢性痛の痛覚情報認知機構 ペインクリニック 2009;30(7):905-913

慢性痛とそれに関与する脳活動部位 健常者 主として脊髄視床路を上行してきた痛覚のシグナルは視床を介してSI,SII,島皮質、前帯状回、前頭前野内側部などのpain matrixと呼ばれる痛みに関連する大脳皮質部位に投射 慢性痛患者 神経系の感作や可塑的変化でか…

柿木隆介 生理的な痛覚情報認知機構 ペインクリニック 2009;30(7):895-904

脳磁図を用いた研究 視床ーSI-SIIの経路が刺激のdiscrimitiveな側面(刺激の部位、強さ、種類)に関わり、視床ー島ー前部帯状回および前内側部側頭葉の経路が情動面や刺激に対応する行動に関わるのではないかと考えられる C線維刺激による脳波、脳磁図反応の…

dcm4cheeの設定 メモ

dcm4cheeの自動起動について 毎回terminalを起動して >cd /Application/dcm4chee/bin/ >./run.sh とtypeは煩雑 その代替方法は下記 参考 http://www.dcm4che.org/confluence/display/ee2/Installation の一番下にOS Xにおいて自動起動 (install as a service…

痛みの臨床11、12

下山直人、下山恵美 痛みの臨床11 がん性疼痛と緩和医療の進歩 日医雑誌 2009;138(6):1156-1157 1986 WHO 指針 2002 緩和ケア診療加算 治療に伴う痛み 手術に伴う痛み症候群 化学療法に伴う痛み症候群 放射線療法に伴う痛み症候群 化療、放射線に伴う口内…

Kikuchi S New concept for backache: biopsychosocial pain syndrome Eur Spine J 2008;17(Supple 4):S421-S427

Contrary to the previous belief, serious injury does not necessarily cause severe pain; there is a great individual variation. A new "biopsychosocial pain syndrome" model should replace the "injury model. Another study reports physical loa…

細井昌子、久保千春 慢性疼痛の多面的評価 心身医 2009;49(8):885-891

痛みの定義 1974 Bonicaが設立した国際疼痛学会 組織の実質的あるいは潜在的な障害に結びつくか、このような障害を表す言葉を使って述べられる不快な感覚、情動体験 注目すべきなのは、主観的な情動体験だけでなく、情動体験を「痛み」と定義していることで…

丸田俊彦 慢性疼痛への精神療法的アプローチ 心身医 49(89):903-908

精神科医が扱う慢性疼痛患者のほとんどは、medically unexplained chronic painであるだけでなく、厳密には、medically and psychiatrically unexplained painであり、精神科的に説明できた疾患とかんがえるべきではない。 痛みを巡って人が起こす随意運動、…

坂本博 情報の送信と保存 INNERVISION 2008;23(12):13-16 医用画像分野の標準化 1993 ACR,NEMAによって提唱されたDICOM (digital imaging and communiation in medicine) 医療情報を電子的に交換するための標準規約がHL7(health level seven) 我が国の診療現…

特集 加速するフィルムレスへのパラダイムシフト INNERVISION 2008:23(12)

奥田保男 これだけは知っておきたい、フィルムレスPACSのポイント INNERVISION 2008;23(12):2-4 2008/4の診療報酬改定後PACSを導入する施設が急増。背景はデジタル映像化処理加算の廃止に伴う大きな減収を、フィルムレス化することで得られる電子映像管理加…

dcm4chee/OSIRIXを用いたPACS systemの設定メモ

dcm4chee(server) http://localhost:8080/dcm4chee-web admin/admin AE Management +new AET OSIRIXのAETitle, Hostname (ip address), portを設定 (OSIRIXの環境設定/リスナーで設定した項目と同じにする echoをclickすると、設定が適切であれば、 echo di…

PACS systemについて

医院では取り扱う画像容量が少ないことから、商用のPACSはover specで、かつcost performance的に見合わない可能性がある。商用PACSの代替としてfreesoftによるPACS systemがある。freesoftであるので、その導入、運用にはskillが要求され、riskが伴う。 現…

痛みの臨床 9,10

井関雅子 痛みの臨床9 痛みの鎮痛補助薬 日医雑誌 2009;138(5):964-965 抗うつ薬 TCA 高齢者で尿閉、血圧、眼圧上昇、眠気、ふらつきの副作用に注意 抗けいれん薬 プレガバリン、ガバペンチン 本邦後者のみ、痛みの保険適応なし NMDA受容体拮抗薬 ケタミン塩…

8/1 store ginza genius bar

2日前にapplestore genius barを予約 問題点 macbook airの動作が鈍いことと、ことえりのcrash 16時予約 2Fのbarのモニタに予約した名前のリストがでていた。いすに座って待っていたら名前を呼ばれた まずことえりについてはpreferenceの消去で対応とアド…

プリンタ設定メモ リコー iPSIO 4010

RicohのiPSIO 4010があるが standaloneのPCでのみ接続して使用していた これを既存のLAN接続し、さらにmac miniで使用できるようにしたときのメモ LANのip addressが172.16.1.?に設定されていたので、mac miniを172.16.1.100 (subnetmask, gatewayはほかのPC…

dcm4chee(freeのPACS server software)のinstallの記録

参考サイト 1 http://www.osirixfoundation.com/dcm4chee%20steps-by-steps.pdf 2 http://d.hatena.ne.jp/kyamada/20090222/p1 3 http://www.sys-edge.jp/jsrt-mis/med_info_document-200707.pdf 4 http://www12.atwiki.jp/pacs/ 主に1を参考とした mac mini…

痛みの臨床 6,7,8

川合真一 痛みの臨床6 痛みと非ステロイド系抗炎症薬 日医雑誌 2009;138(4):738-739 河西稔 痛みの臨床7 痛みとオピオイド 非麻薬 日医雑誌 2009;138(4):740-741 有田英子、小川節郎、花岡一雄 痛みとオピオイド 麻薬 日医雑誌 2009;138(4):742-743

痛み治療の人間学 (朝日選書) 複合性局所性疼痛症候群 CRPS chronic regional pain syndrome 1994 IASP 1外傷の既往があるか、もしきはギプスで固定するなどして運動が制限されていた 2 1の原因に対して発症の原因となるような不釣り合いな持続性疼痛、異痛…

痛み治療の人間学 (朝日選書) 線維筋痛症 米国リウマチ学会の分類基準 1990 慢性で全身的な痛み 器質的疾患や炎症性疾患がない 18カ所以上の定められた圧痛点(4kg/cm2以上)が11カ所以上認められる 3ヶ月以上持続している 女性に多い 米国の調査では女性3.5%…

痛み治療の人間学 (朝日選書) 慢性の痛みは、最近の疾患概念で示すと、機能性身体症候群(functional somatic syndrome:FSS)に属する。器質的疾患の検索に用いるような諸種の一般検査では異常を認めないことが多い。 病因追求論(pathogenesis)と健康創成論(sa…

痛み治療の人間学 (朝日選書)作者: 永田勝太郎出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2009/04/10メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 14回この商品を含むブログ (10件) を見る 痛みとはあくまでも個人の体験や感覚であるため、きわめて主観的である。それゆ…

心と体の「痛み学」2

心と体の「痛み学」―現代疼痛医学はここまで治す p359-360 マーガレット コーディル ダートマスヒッチコッククリニックで疼痛医療を担当 行動医学の専門家 痛みに負けない方法(managing pain before it manages you)の著者 彼女の観察によれば、疼痛患者は次…

疼痛に対する徒手的アプローチの理論的背景

辻井洋一郎 疼痛に対する徒手的アプローチの理論的背景 理学療法 2000;17(2):188-192 急性痛 その原因疾患が完治することで消失するのが普通 慢性痛 末梢での傷が治っているにもかかわらず、痛みが持続。持続的な痛み入力により神経回路内に生じる可塑的な変…

痛みの評価法

関山裕詩 痛みの臨床5 痛みの評価法 日医雑誌 2009;138(3):572-573 疼痛の強さの評価 視覚的評価スケール visual analog scale;VAS 数値的評価スケール numerical rating scale;NRS 口頭式評価スケール verbal rating scale;VRS Face rating scale;FRS 疼痛…