谷川浩隆 ストレスと整形外科疾患 日本心療内科学会誌 2009;13(2):84-89

  • 運動器不安定症 高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態
  • 運動器不安定症では転倒しやすく運動機能や生活機能が低下する状態になるため生活機能低下病とも考えられる
  • 運動器疾患と心身症
    • painful depression
    • functional somatic syndrome
  • 整形外科における患者医師関係
    • 自覚症状が、手術という最も侵襲のある治療の唯一の根拠となることは決して好ましいことではないため、痛みやしびれなどの自覚症状を客観的にとらえる研究が様々な分野から行われているが、重要なことは痛いかということではなく、痛くて困っているかということである。
  • 心身医学会名簿 3698名で整形外科医は15名にすぎない
  • 実際には整形外科医が心身症患者を、心身症と診断できずに診療しても、きわめて良好に患者医師関係が結ばれ、治療が順調にすすむことの方が圧倒的に多いのが事実である。患者は身体的器質的疾患を確信しているため、整形外科医が心理的要因にまで考えが及ばず、純粋に患者の疼痛を身体的疾患として治療すること自体が患者のニーズに合致するからである。
  • 身体的要因を確信している心身症患者に対して、患者自身が心理的要因もあるということに気づくプロセスを促すことそのものが心身医学的アプローチである。