2011-01-01から1年間の記事一覧

有村達之、細井昌子 慢性疼痛の認知行動療法とその進歩 Practice of Pain Management 2011;2(4):236-239

認知行動療法 第一世代 行動の修正を目標とする行動療法 痛みを訴えることで周囲から社会的かかわりを得ていたパターンを活動することで関わりを得るというパターンに逆転させる 第二世代 認知の修正を重要視する認知行動療法 ストレス免疫訓練 「痛みのせい…

座談会 運動器の痛みにおける筋の問題

座談会 運動器の痛みにおける筋の問題 Practice of Pain management 2011;2(4):220-229 IASPが発表しているファクトシートの運動器痛の項には、「運動器痛の病態生理は完全には解明されていないが、炎症、線維化、組織の変性、神経伝達物質、そして神経感覚…

EBMとガイドライン(慢性疼痛へのアプローチ)

大庭由宇悟 EBMとガイドライン(慢性疼痛へのアプローチ) 総合リハ 2011;39(8):739-744 アメリカ麻酔科学会ASAのガイドライン 「慢性疼痛は、がんによるものを除き、慢性的な病態に付随するが、あるいは組織損傷の程度から推測される期間や治療機転の範…

病態と治療(慢性疼痛へのアプローチ)

宮崎東洋 病態と治療(慢性疼痛へのアプローチ) 総合リハ 2011;39(8):733-737 IASPでは慢性疼痛を「治療に要すると期待さえる時間の枠組みを超えて持続する痛み、あるいは進行性の非がん性疾患に関連する痛み」と定義している 筆者は慢性疼痛とは、「生理的…

慢性疼痛: 「こじれた痛み」の不思議

慢性疼痛―「こじれた痛み」の不思議 (ちくま新書)作者: 平木英人出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/01/01メディア: 新書購入: 5人 クリック: 28回この商品を含むブログ (6件) を見るなんとなくamazonをさまよっていたら発見。2012/1/5発売予定とあった…

Will this patient develop persistent disabling low back pain?

Chou R, Shekelle P Will this patient develop persistent disabling low back pain? JAMA 2010;303(13):1295-1302 systemic review drawn from 20 studies conclusion:The most helpful components for predicting persistent disabling low back pain wer…

Pain mechanism in osteoarthritis

Mease PJ, Hanna S, Frakes EP, and Altman RD Pain mechanism in osteoarthritis: Understanding the role of central pain and current approaches to its treatment. J Rheumatol 2011;38:1546-1551 There is often discordance between the degree of ar…

Elliot Krane: The mystery of chronic pain

Elliot Krane: The mystery of chronic painhttp://www.ted.com/talks/elliot_krane_the_mystery_of_chronic_pain.htmlTEDでのchronic pain についてのtalk下記では、字幕を日本語にもできるcf. http://www.ted.com/talks/elliot_krane_the_mystery_of_chron…

傾性斜頸を主訴とする慢性疼痛患者への認知行動療法

中島啓子 傾性斜頸を主訴とする慢性疼痛患者への認知行動療法 Monthly book medical rehabilitation 2011;138:37-45 Fordyce(1973)は、痛みをめぐって人が起こす随意行動、すなわちオペラント(痛みを訴える、病院へ行く、薬を飲む、仕事・学校・家事を休む…

大学生アスリートの腰痛に対する認知行動療法 

小堀修 一月三舟でも要はGOAL:大学生アスリートの腰痛に対する認知行動療法 Monthly book medical rehabilitation 2011;138:17-24 Hansenらは、腰痛を慢性化させるリスクファクターに働きかけるBack Skills Training Trial(BeST)を開発した。リスクファクタ…

従来の認知行動療法では、痛みを過度に否定的なものと捉え「破局視catastrophizing」する認知行動的プロセスに焦点を当て、1痛みに対する耐性の向上、2痛みのある生活の受容およびその自己コントロール感の向上、3日常生活の行動範囲の拡大、4社会生活へ…

慢性疼痛への認知行動療法:

伊藤義憲 慢性疼痛への認知行動療法:マインドフルネスに基づく集団認知行動療法における一症例 Monthly book medical rehabilitation 2011;138:46-52

認知行動療法

金筑優 認知行動療法 Monthly book medical rehabilitation 2011;138:9-15 行動療法のABC理論では、ターゲットとする行動について、どのような場面(A)で、どのような行動(B)が起こり、どのような結果(C)が生じているか分析する。認知療法のABC理論では、ネガ…

リハビリテーションの効果をあげる認知行動療法

中島恵子 編集企画にあたって リハビリテーションの効果をあげる認知行動療法 Monthly book medical rehabilitation 2011;138:前つき1 認知行動療法は、行動、感情、認知の問題を治療標的とし、問題の改善をはかろうとする治療的アプローチである。認知・情…

筋痛の診断と治療

青木吉嗣、鈴木友子 筋痛の診断と治療 MB Orthop 2011;24(5):143-152 筋痛のメカニズム 筋肉の感覚器は、筋紡錘、腱器官、パチニ小体、パチニ様小体、自由終末などであり、筋線維そのものにはなく、筋線維を含む軟部組織(筋膜)、細動脈の周囲および筋腱接…

清水由江、細井昌子、久保千春 慢性疼痛―身体医療と精神医療の境界疾患 精神科 2006;9(4):279-287

Bonica 慢性疼痛の定義 急性疾患の通常の経過あるいは外傷の治癒に相当する期間を一ヶ月以上超えて持続するか、継続する痛みの原因となる慢性の病理プロセスと一体となっている疼痛、もしくは数ヶ月から数年の間隔で反復する疼痛 国際疼痛学会痛みの定義 組…

慢性疼痛治療の新戦略

RD フィールズ 慢性疼痛治療の新戦略 日経サイエンス 2010;40(2):37-44 けががなおったにも関わらず、いつまでも消えない慢性疼痛に苦しむ人は少なくない。その多くは、興奮しすぎた痛み感知ニューロンが、理由もなく痛み信号を出し続けることが原因だ。 神…

松原貴子 痛みを伴う歩行の見方と理学療法 奈良勲編:歩行を診るーそこからの理学療法実践の展開 文光堂 2010 p331-339

痛みは決して時間的経過によって分類・定義されるものではない 急性痛は侵害刺激に対し痛覚系が正常に機能して発生する痛みであり、生体にとってきわめて重要な警告信号であるとともに、生命を維持するために必要不可欠な機能である 慢性痛は痛覚系に異常を…

変形性膝関節症

池内昌彦 変形性膝関節症 MB Orthop 2011;24(5):83-89 レ線でOAと診断されても、痛みを伴うものはわずか20-40%程度であり、X線学的膝OAの重症度と痛みの程度は乖離している 軟骨が摩耗あるいは骨が増殖した状態そのものは、かならずしも痛みの発生とは関係し…

慢性疼痛を呈した高齢者に対する動作療法の試み

竹田伸也 慢性疼痛を呈した高齢者に対する動作療法の試み 心理臨床学研究 2009;27(5):524-533 行動療法では、疼痛体験に基づく行動を痛み行動とし、痛み行動が強化されるような条件下で慢性疼痛が持続するという理解に基づき、痛み行動を強化しない環境調整…

自分で痛みを管理しよう

自分で「痛み」を管理しよう―慢性痛に順応する積極的取り組み作者: Michael Nicholas,Lois Tonkin,Lee Beeston,Allan Molloy,坂本篤裕,河原裕泰出版社/メーカー: 真興交易医書出版部発売日: 2011/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 18回この商品を含む…

痛みをやわらげる科学

痛みをやわらげる科学 痛みの正体やその原因、最新の治療法までを探る (サイエンス・アイ新書)作者: 下地恒毅出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2011/09/16メディア: 新書購入: 8人 クリック: 64回この商品を含むブログ (6件) を見る

ドパミンシステムと痛み

紺野慎一 ドパミンシステムと痛み 臨整外 2011;46:343-346 慢性疼痛患者に対する整形外科医の果たすべき役割は非常に大きいが、患者の期待に十分にこたえていないのが現状といえる 中脳ドパミンシステムとは、腹側被蓋野(VTA)から、側坐核(NAc)や腹側淡蒼球(…

慢性疼痛の評価と治療における薬物療法の位置づけ

川井康嗣、大賀美穂、原田英宣、又吉宏昭、松本美志也 慢性疼痛の評価と治療における薬物療法の位置づけ 臨整外 2011;46:303-310 慢性疼痛のマネジメントにおいては、まず患者の痛みがどちらのいたみか(急性疼痛が遷延したもの、またはいわゆる難治世慢性疼…

慢性疼痛患者のとらえ方

村上孝徳、山下敏彦 慢性疼痛患者のとらえ方 臨整外 2011;46:299-302 1986 IASP 慢性疼痛の定義 治療に要すると期待される時間枠組みを超えて持続する痛みあるいは進行性の非がん性疾患による痛み この定義には「慢性疼痛の病態は複雑であり侵害受容性疼痛、…

仙波恵美子 筋骨格系の痛み その慢性化のメカニズム 臨整外 2011;46:291-298

痛みの種類 生理的な痛み、病的な痛み 急性痛、慢性痛 皮膚の痛み(鋭く、焼けつくようで、局在がはっきりしている)、深部組織痛(内臓の痛みと同様に不快で苦痛が強く広範囲にわたり、障害の部位から離れたところにも放散しやすい) 痛みの中枢回路 −最近の…

松平浩 知っておきたい腰痛の知識 第2回 季刊ろうさい 2010 夏号Vol 6 26-31

著者らの行った疫学調査 PACE survey 2009.jp pain associated cross-sectional epidemiological survey) JOB study (Japan epidemiological research of occupation-related back pain study) PACE surveyのまとめ 国民生活基礎調査どおり、痛み愁訴の中で…

松平浩 知っておきたい腰痛の知識 第一回 季刊ろうさい 2010 春号 vol5 24-31

ほねのずれ(すべり)やヘルニアなどの画像上の異常所見があっても、腰痛で困っていないひとはいますし、逆に、腰痛の経験があっても画像所見は正常な場合もあります。すまり、画像上の異常所見は必ずしも痛みを説明できないことが理由の一つです。よって、…

西原真理、牛田享宏 疼痛治療の今日的意義 臨整外 2011;46(4):287-289

疼痛はその定義上、障害性の要素と同時に大脳皮質の機能障害という側面を含んでおり、統合的な理解を進めなければならない 痛みは主観的な症状であり、末梢組織の障害から、脊髄、大脳皮質の機能異常まで各レベルで捉えていく必要がある。この難しさによって…

松平浩 痛みとは 難病と在宅ケア 2006;11(3):12-16

脊椎には椎間板、神経組織、関節(椎間関節)、種々の靭帯、筋肉等痛みを発しうる組織が数多くあり、これらのどこが原因かは特定できません(非特異的な痛み)。よってレントゲン検査はあまり役に立ちません。しかし、どこが原因であれ、損傷部位の炎症が警…