仁井内宏、弓削孟文 CRPS type II患者への抗うつ薬投与は意義があるか? EBM ジャーナル 2005;6(4):478-483
- CRPS 1994 IASP
- 外傷などの後に罹患部位より通常は末梢側に局所的に生じ、その侵害事象の程度に不釣り合いに強く、長期に渡って持続し、時に柔道の運動障害を伴う疼痛症候群をCRPS(chronic regional pain syndrome)と定義
- type I 侵害事象によるあきらかな神経損傷を伴わないもの 従来のRSD type II 伴うもの causalgia
- 診断基準
- 神経損傷後に生じる持続痛、allodynia,痛覚過敏の存在、ただし損傷された神経の支配領域に限局する必要はない
- 病気のいづれかの時期にみとめられる疼痛部位の浮腫、皮膚血流の変化、発汗の異常
- 疼痛の程度および機能不全の原因が他の原因で説明できる場合は除外する
- CRPS type IIに限局して抗うつ剤の鎮痛効果を検討したRCTは一件もなくッCRPStype II患者への抗うつ剤投与は意義が有るという質の高いエビデンスは得られなかった。
- TCA イミプラミン(トフラニール)、アミノトリプチン(トリプタノール)
- 口渇、傾眠、ふらつき、尿閉などの副作用が高率に生じるので10-25mgの眠前投与から開始し、必要に応じて増量
- メキシチール、テグレトール
- ノイロトロピン
- BNZ リボトリール、ランドセン
- GABA誘導体 ギャバロン、リオレサール
- 星状神経節ブロック、硬膜外ブロック
- 二次性筋筋膜性疼痛 トリガーポイントブロック
- 低反応レベルレーザ
- 一般に慢性疼痛は、身体機能、精神活動、社会活動に影響を与え、また逆に、身体的、精神的、社会的問題が疼痛を増悪させるといった側面がある。