- 主な目的 (2015/12/31記)
- 読んだ文献等の記録を残す
- 興味ある分野
- 慢性疼痛
- 旧サイト
- 文献斜め読み (2008/1-2015/12)
マイナ資格確認アプリ
- 久しぶりに、別のiphoneでマイナ資格アプリを使用しようとしたら、苦労したのでメモ
- 機関コード、ID、パスワード、アクチベーションコードが必要
- 医療機関コード 10桁で構成され、都道府県番号(2桁)+点数表コード(1桁)+医療機関コード(7桁)の形式
- ID,パスワード これはオンライン資格確認等システムで、設定した医療閲覧アカウントとそのパスワード(自分で設定した)
- アクチベーションコードは、医療機関等向け総合ポータルサイトから取得の方法があったが、当方ではできなかった
- これもオンライン資格確認等システム/マイナ資格確認アプリ/アクティベーションコード管理から申請すると10分で発行される
- 下記を参照
- https://ajhc.or.jp/siryo/20250521ap2.pdf
- これはオンライン資格確認等システム操作マニュアル管理者編の第6章にもでている
内受容感覚を媒介とするアロスタシスと感情
寺澤悠理、是本明宏 内受容感覚を媒介とするアロスタシスと感情 BRAIN and NERVE 75(11):1245-1250,2023
- 感情と身体状態の密接な関係性は、文化や言語の違いを超えて、人間に共有されてきたことが示唆される
- James and Lange
- 情動の末梢紀元説
- 感情とは興奮する事態の知覚に続く身体的変化と、その変化が生じていることを主観的に感じることである
- Sir Charles Sherrington
- 外受容感覚 exteroception、固有感覚 proprioception、内受容感覚 interoception
- 厳密な定義には研究者間に違いがあるものの、内受容感覚は、身体内部の状態を脳に伝達する役割を担っている、という点では共通しており、生体の恒常性の維持や環境に応じた調整の土台となっている
- 内受容感覚の上に成り立つ感情も、本質的には生命維持と行動選択の最適化を効率的に導くためのシステムであることが推論できる
- アロスタシスとは、内部環境の予測的な調節を指し、生体がこれから直面する状況に対して、なるべく身体のエネルギーを効率よく利用するための行動を選択できるようにするシステムである
- そのコントロール機構こそが脳
- アロススタシスは失神や飢餓状態といった生体にとってコストのかかるエラーの発生を事前に防ぐ行動を個体に方向づけるために効率的なシステムなのだ
- これらのモデルでは脳領域間の解剖学的・機能的連結において、身体内部状態に関する予測シグナルと実際の情報を比較し、その予測が正しいものであったのか、あるいは誤ったものであったのか、という情報の符号化が可能になると考えられている。誤差がなければ、そのまま内受容状態は意識に上ることはなく、この脳と身体のループが滞りなく働いていくが、誤差が会った場合には予測情報のアップデートや身体状態の調整が必要になる
- つまり、現在置かれている状況に関して、過去の経験に基づいた身体の状態が脳内で予測され、実際に生じた身体的変化との誤差の大小によって、現在の主観的な内受容感覚やそれに伴う環境の変化が調整されているというものである
- 内受容感覚が生体のニーズにに応じて意識されるというしくみは、限られた認知的資源を身体の外で起きている事象に分配し、効率的に処理に利用するために有益である。滞りなくシステムが循環している間は、意識に上らず、何らかの対処が必要な場合にのみアラートを発するために顕在化し、対処行動によって生体にとって安定した、あるいは快適な状態に導く行動をとらせるの仕組みとして、合理的であるといえよう。
- 基本感情理論
- 身体反応が連続的で相対的であるという特徴を鑑みると、分類のしかたによっては数十をこえる人間の多彩な感情の一つひとつに対応する固有の身体反応が存在し、人間がどのような状況においてもそれらのすべてを正確に分類し、そのカテゴリ名に適した感情を感じている、と想定することは困難である
- 現在のところ、内受容感覚を介したアロスタシスシステムの現れとしての感情という考え方は、理論は先行している状況にあるが、さまざまな実証研究の蓄積によって今後この理論の検証や精緻化が行われいくとおもわれる
アロスタシス機構の設計原理
乾敏郎 アロスタシス機構の設計原理 BRAIN and NERVE 75(11):1239-1243,2023
- Schrodinger 生物体は負エントロピーの流れを吸い込んで、自分の身体が生きていることによってつくりだすエントロピーの増加を相殺し、生物体自身を定常的なかなり低いエントロピー水準に保っている
- Friston 自由エネルギー原理
- マルコフブランケット この協会は感覚状態(感覚系)と運動状態(運動系)から構成される
- 生物は自由エネルギーが最小化されるように、知覚と運動を通じて環境と相互作用し、秩序の形成と維持を実現している
- 自由エネルギー=対象の推定された状態と真の状態の誤差+対象の状態によって引き起こされた感覚のサプライズ
- 神経回路では、この推論は、上位から感覚信号に対する予測信号がトップダウンに伝えられ、これがボトムアップに送られてくる感覚信号と比較され、この予測誤差を最小化することにより予測信号が書き換えるという形式(これを予測符号化という)で実現されている
- すなわち、予測誤差が小さくなるように予測を変えれば、おのずと外界の状態がわかるのである
- 感覚信号自体を買えるということは、視線や注意の焦点を変えたり、手足の運動を行ったりすることにほかならない。;つまり、これが運動や注意昨日の働きだと考えるのである
- 物をつかむ時 予測誤差が最小化されるように筋肉が収縮する。言い換えれば運動は望ましい筋感覚の期待によって実行されるのである
- 一方、内環境に目を向けると、サプライズを避けることは、環境の中でホメオスタシスを維持するという生物の基本的な要請である
- サプライズの時間平均がエントロピー(不確実性)であるので、常にサプライズを回避していれば、感覚信号の不確実性を最小化できる。これが1で述べた、Schorodingerの疑問に対する答えである
アロスタシスとホメオスタシス
虫明元 アロスタシスとホメオスタシス BRAIN and NERVE 75(11):1189-1196, 2023
- ホメオスタシス 恒常性
- 設定力の逸脱から回復する定常状態を目指す
- 視床下部や下垂体が中心的役割
- アロスタシス 動的適応系、動的調節系
- 状況変化に伴うニーズを予測的に先取りし、ニーズが発生する前にそれを満たす準備する機構
- 予測値と実際の値との差異の解消には、エネルギーが必要と考えられるが、このエネルギーを最小化するのが望ましい
- アロスタティック負荷が長期に及び、過負荷となると、本来の適応的な側面が失われアロスタシス破綻をきたし、その影響が多岐にわたる
- より高次の中枢が関わる
- アロスタシスの調節系は、トップダウンとボトムアップの両面において従来考えられていたより広く脳ー身体系に分散していることが判明した。
- このような神経認知の変化は、アロスタシスの観点から、この身体情報と予測制御のダイナミクスの機能不全の結果で、さまざまな症状の出現を説明できる可能性が指摘されている
- しかも最近では、神経変性疾患の他の疾患、例えばアルツハイマー病におけるインスリンシグナル伝達障害とアロスタシス負荷の関係も指摘され、さらに内感覚の低下は、パーキンソン病や多発性硬化症など、他の神経変性疾患においても観察される
- 拡張されたアロスタシス調節系の観点から、起点となる負荷は異なっていても、アロスタティック負荷が継続し、次第に過剰になれば、様々な行動、認知、情動を含めて異常がでてくることは想像に難くない
- アロスタシスの予測的制御は、再びこのようなストレスがあることに備えて、予測的に事態を制御しようと常に動き出すであろう。ところが、このような処理がうまくいかず、大脳皮質と辺縁系とのバランス次第で、フラッシュバックして、できごとを再体験しているかのような反応が起こりえる。さらには心理的な原因であっても身体的な症状を呈したりする
- PTSDでは安静時のデフォルトモードネットワークの結合性や活動にも異常が報告されている。その結果として、拡張したアロスタシス調節系が巻き込まれて、記憶、情動、認知、自律神経系にも影響を与えることになる
島の機能と自己感
大平英樹 島の機能と自己感 BRAIN and NERVE 66(4):417-427,2014
- 最少自己(minimal self) 自分についての過去の記憶、言語で表現される自分の性格や属性などの要素をすべて取り除いてもなお残る原初的な自己
- -身体保持感(sense of body ownership) この手は自分の手だという感覚
- -自己主体感(sense of agency) この手を動かしているのは自分だという感覚
- 視覚と触覚の統合が自己感の成立に重要
- 特に島は、一種の内的モデル(inner model)を形成することによりトップダウン的外的・内的な刺激の処理を誘導し、同時にモデルとボトムアップ的に得られる実際の感覚との誤差を検出し、それに基づいて知覚・運動・認知を統合的に調整することで、自己感を能動的に形成していると考えられるようになってきた
- 島では、身体からの信号が単にボトムアップ的に伝えられて受動的に処理されるのではなく、予期や推論などトップダウン的な処理の影響をも受けて能動的に知覚が形成されるということである
- 前頭眼窩皮質は、良いー悪い、快ー不快などの価値の前提となる文脈や現在の状況を表象し、それを保持する機能があると考えられている。つまりこの結果は、前頭眼窩皮質による文脈や状況に関する情報によって前部島による痛み処理がトップダウン的な調整を受けていることを示唆している
- これらの事実は、われわれの脳の中には自分自身の身体モデルが形成されており、身体のどの部分がどのうように刺激されたならば、体性感覚ー空間的にどのような感覚が生じるかという推論が行われていること、身体保持感の成立は、そうしたトップダウン的推論、あるいは内的モデルによる予測に制約されていることを示している。
- これらの結果が示唆するのは、われわれは、視覚や触覚などの外受容感覚と、心拍のような内受容感覚をオンラインでモニターし、状況に応じでその重み付けをダイナミックに変えながら最も矛盾が少なくなるように統合しており、その結果として身体保持感のような自己感が立ち上がってくるのだろう、ということである
- 生体はこの予測誤差を最小化することで統一的で整合的な自己像と世界観を構築し、それらを維持しようと努める。予測誤差の最小化のためには、モデルの更新と、行為による外界や身体の変容の両方の手段が用いられる。さらに、統合失調症や解離性人格障害などのいくつかの精神疾患を伴う症状は、これらの過程の不全から生じてくる可能性がある
- ソマティック・マーカー仮説 Damasio
- 過去の経験による感情反応から個々の選択肢にラベルをつけ、それにより瞬時にネガティブな選択肢を削除して意思決定空間を狭めること
- あたかも身体ループ(as if body looop)は、将来生じるであろう身体反応を内的モデルによって速やかにシミュレートし、意思決定に貢献する考えラエル。ここではさらに、このあたかも身体ループが、意思決定をしたのは自分だという自己感の形成にも貢献している可能性を考えたい
- 言い換えれば、脳は、本来運動の調整のためのメカニズムであった順モデルを利用することにより、自己主体感という実感をもつくりだしているのだとも考えられるだろう
- 内部モデルによる反応の推定と実際の身体反応が照合され、それがある範囲で一致している場合にはその反応は自己由来と判断されて意識されるとともに意思決定に用いられ、その決定は自分がしたものだという自己主体感が経験される
- 不一致な場合は外乱要因によるものと判断されて意識に上らず意思決定への影響がキャンセルされる、あるいは自己主体感が弱められるのではないだろうか。そして、そうした称号がおこわなわれているとしたら、両者を統合的に表象しうる前部島がその場であろうと想像される
内受容感覚・意思決定・感情の統合
大平英樹 内受容感覚・意思決定・感情の統合 BRAIN and NERVE 75(11):1197-1203,2023
- 野生動物は血糖値が低下して始めて空腹を感じ、その時から餌を探し始めたとしたら、高い確率で餓死してしまうだろう
- 重要な身体資源である血糖値は常に監視され、その低下のわう↑あな兆候が認められた時点で、予測にもとづくいわばバーチャルな空腹感が生成され、食餌行動が誘発される
- 恒常性 homeostasis 生き続けるために、体温、血圧、血糖値など身体状態は一定の範囲に保つことを実行するしくみ
- アロスタシス allostasis (変化による安定) 危機に瀕しては覚醒を上げ、安全で休憩が可能な状態な場合には覚醒を下げるなど、環境の要請に合わせて身体状態の目標値を動かすことによって身体状態を動的に制御するしくみ
- フリストン(Friston)により展開されてきた予測符号化(predictive coding)、あるいは自由エネルギー原理(free energy principle)と呼ばれる脳機能の統一理論
- この理論では、脳は、将来入力される刺激を予測する内的モデルを構築し、その予測と入力される感覚信号の差異(予測誤差 predictive error)の計算に基づいて、知覚を能動的に創発しているとしゅちょうされる。
- バレットはこうした流れを組んだ感情理論である心理構成主義(psychological constructivism) を展開しつつある
- この理論では、内受容感覚は身体が望ましい状態に保たれているか、そこから逸脱しているかを脳に伝える機能があり、それに応じて快ー不快、覚醒ー鎮静などの次元で表現される核心感情(core affect)が生成されると主張される。
- ケラマティ8Keramati)らは、この考え方を拡張し、意思決定と感情が生起する過程を説明する概念モデルを提案した
- 身体状態の予測誤差が生じると、その予測誤差を最小化するための行動への動因(drive)が生じる。ある行動を選択することで身体状態が予測に近づけば、それが報酬となり行動の価値が上がる。これに伴って快の感情が経験される。意思決定は、そうした感情、すなわち身体状態を基盤とした価値に基づく行動の選択として捉えることができる。
- 私たちは、この世界が豊かな色彩にあふれているように感じているが、それはヒトのごく狭い可視光の波長範囲により「脳が創った」バーチャルな体験である
- セス(Seth)は、内受容感覚の予測的処理から、自分が生きているという根源的な意識が生じるのだと論じている
- 予測誤差の変化が感情として経験される
- 動因とは予測誤差を縮小しようとする衝動であり、予測誤差が大きいほどエネルギーは大きい。私たちは、この衝動を食欲などとして主観的に経験することができる
- カエルは衝動と行動が一体化しており分離できない。しかし人間は欲求自体を意識する、つまり欲求を、対象や行動と分離して表彰することができる
- このようにアロスタシスの機能に伴い多様な意識が生じ、私たちは精神現象を形作っていると考えることができる