共有フォルダのファイルの検索ができない

  • 共有フォルダのファイルの検索ができない
  • mac mini上の共有フォルダ(pdfファイルが3万以上あり)をmacbookから検索、閲覧ができなくなった
  • ぐぐると、スポットライトのインデックスの再構築(macbook)が必要のようだ
  • コマンドラインからの方法

qiita.com

  • GUIからの方法

support.apple.com

excel (microsoft 365) on macが起動しない

  • excel (microsoft 365) on macが起動しない
  • 背景
    • macOS 10.14 (mojave)上でmac office 2011を使用していた
    • macOS 10.15 (catalina)では32 bit app(office 2011を含む)が使用できなくなった
    • 年末の時間を利用して、OSをmojaveからcatalinaへ、officeを2011から365へupgradeしてみた
  • OS upgrade
    • (最新macOSはすでに11(big sur)になっている)
    • 下記を参照しながらcatalinaのinstall USBをつくって、無事upgrade

www.softantenna.com

  • office 2011からmicrosoft 365へ
    • 通常の方法でmicrosoft 365をinstall (バージョン 16.44 (20121301) 2020/12/15)
    • one noteは起動するが、excel/word/powerpointは起動しない
    • error message

Dyld Error Message:
Library not loaded: @rpath/mso40ui.framework/Versions/A/mso40ui
Referenced from: /Applications/Microsoft Excel.localized/Microsoft Excel.app/Contents/MacOS/Microsoft Excel Reason: image not found

  • 「Library not loaded: @rpath/mso40ui.framework/Versions/A/mso40ui」でググる

answers.microsoft.com

  • microsoft 365ではなく、mac office 2016の時の話のようだが、意訳すると、古いバージョンをinstallして自動更新せよ
  • そこで、下記のOffice スイート (Teams なし) (2020 年 4 月 21 日 16.36 (20041300))をinstallしたが、excelは起動しない

docs.microsoft.com

  • 次に上記の、最新版のexcelのみの更新プログラムパッケージを実行したら、無事excelが起動した
  • 同様にして、word/powerpointの更新プログラムパッケージを実行して、word/powerpointの起動ができた
  • やれやれ

2020年の5冊

時間とテクノロジー

時間とテクノロジー

  • 作者:佐々木俊尚
  • 発売日: 2019/12/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

  • 音楽や映画に触れる機会がレコードや映画館に限られていた昔と比べ、現代はあらゆる方法でそれらの文化に触れられるようになり、接触機会がものすごく多くなりました。そうすると、たまに耳にするから郷愁を感じるはずだった古い文化が、もはや飽き飽きするほどまでに現在進行形で共有されるようになってしまっているのです。
  • 日本の1980年代に流行った都会的なポップミュージックは異なる。この通称シティポップと呼ばれる音楽はアメリカではほとんどしられていなかった。当時のアメリカ音楽から強い影響をうけて音楽性を受け継いでいたにもかかわらず、アメリカ人には手つかずのままだった。それでかれらがそれを聞くと、新鮮であるのに、同時に郷愁も呼び起こさえる
  • 私達はつねに過去を抽象化し、同時にそれを美化する。でもインターネットのアーカイブは決して美化してくれない
  • 過去は色褪せなくなり、いつまでも鮮明なままで保存され続ける。しかし、過去は、いつ改変されるか誰にも予測できず、つねにデジタルコラージュの寄せ集めでしかないという不安定な状態に置かれている。
  • そういう過去が世界に溢れかえり、私達は郷愁を感じることができなくなっている。それどころか、ときに強制的に押し付けがましく配信されてくる過去によって、私たちは忘れることさえできなくなっている。過去はそういう厄介なものへと変わりつつあるのです
  • 忘却が高度の思考をつくる
  • 忘却ができなくなってから、私達はようやく忘却の美徳に気づくのかもしれません
  • 忘却は郷愁の感情を呼び起こすだけではなく、もっと重要な役割をもっているのです。人の脳は過去に起きたことを正確に記憶するのではなく、様々な出来事のなかから印象深いものだけを選んで記憶し、その中身も時間が経つにつれて変化していくようなメカニズムになっています。記憶を変化させ、捏造してしまうことで、過去の体験を私達は抽象化し、生きていくためのスキルとして蓄積できるようになるのです。だから、実は過去は鮮明に記憶され内容がよいのです。
  • 彼によると、進化論的に下等な生物ほど、厳密な記憶の割合が多いといいます。忘却し、曖昧な記憶をもつというのは、進化した生物の特権でもあるのです。
  • 細かい部分を忘れてしまうからこそ、抽象化できる。つまり高度な思考のためには忘れることが必要なのです。
  • 人間が忘却して抽象化しているのに対して、AIは忘却せずに抽象化ができるようになったのです。これは人間の思考とはまったく異なるアプローチです。
  • 記憶 手続き記憶、プライミング記憶、意味記憶エピソード記憶
  • エソード記憶 最も高度に進化した記憶 意識と関係あり
  • 1972 エピソード記憶という概念を始めて提示したのはカナダの心理学者 エンデルタルヴィング
  • 意味記憶は心の中の類義語 自分の経験についてのautonoetic consciousness(自分が経験したことだと自己意識で理解していること、日本語では想起記憶とも訳される)
  • 自分が体験し、近くした出来事だから、エピソードは自分ごととして記憶できる
  • エピソード記憶の時間軸はあくまでも自分自身の時間
  • アマゾン奥地にすむ少数民族ピダハンは過去も未来も考えない
  • ハーバード大学 マイケルヴィツェル 世界の神話をゴンドワナ神話とローラシア神話の2つに分類している
  • 共通する要素を抜きだした パンガイア神話
  • ゴンドワナ 時系列はっきりしない
  • ローラシア 時系列あり
  • 心理学者 ジュリアンジェインズ 神々の沈黙 1976
  • 人類が言葉を獲得した当初、私達は意識をもっていなかった。そのころの人類は、頭の中に神の声が響いており、この声を常に会話することで思考を成り立たせていた。しかし紀元前2000年頃になると神の声はだんだん聞こえなくなり、その代替として意識を生み出した。神の声は人間の頭脳から消滅したが、現代では統合失調症にその痕跡を留めている
  • 人は複雑な作業を記憶するため、ひとつらなりのできごとをまとめて覚えておいて物語にするという方法を身につけることで、自分ごとにすることができました。
  • 1970年代に活躍した同時代の研究者であるダルヴィングとジェインズの論を仮にまとめてしまえば、人はまず神の声に命じられることで仕事をこなすようになり、しかし社会が複雑になると神の声が聞こえなくなり、その代わりに意識がうまれて、エピソード記憶が急速に発達し、神の声がなくても複雑な仕事をこなせるようになった。
  • 神の声が聞こえなくなったことで、意識と物語が連携しながら急速に発達していったのかもしれません。
  • エピソード記憶によって私達は物語を生み出すことが可能となり、そして物語を編むためには私達には自己意識が必要で、自己意識があるからこそ、記憶はさらに強化されていくのです。三者がぐるぐると回っていく流れの中で、私達は世界を獲得しているのです。
  • AE 自己符号化器
  • 深層学習が生み出す機械の物語は、人の知能とはまったく異なる知能の姿です
  • 2017 行動経済学者 シカゴ大学 リチャード・セイラー
  • ナッジ 注意や合図のために、人の横腹を肘でやさしく押したり、軽くつついたりすること

これをやれというような強圧的な命令でなく、実はごくささやかな誘導だけで、人々の行動は意外と簡単にかわるものなのだ

  • 判断疲れ
  • 空間認識力は、未開発である人間の潜在的な能力のなかでも、最大の者でないか

無敗の男 中村喜四郎 全告白

無敗の男 中村喜四郎 全告白

  • 逮捕してから完全黙秘を貫き、並み居るエリート検察官たちを相手に供述調書を一通も作らせなかった
  • 文藝春秋 2014/8 選挙の神様 角栄が挑んだ史上最大の作戦 2018/8 角栄最後の愛弟子大いに吼える
  • 業者には頼まない。むしろ業者を排除して、それ以外の人達で勝つんだというのが私のポリシー
  • この仕事は私が手掛けたと言いはじめたら、中村喜四郎はおしまい
  • 政治家の原点は選挙運動
  • 私は20年間、つまり、あの事件以来、政治献金もゼロで通しています。一回も金集めの励ます会はやったことがない
  • 喜友会の活動2つ 地域周りと活動報告
  • 50ccでクラッチが有るのはホンダのベンリィCD50のみ
  • 小沢氏が病気になった時、痩せた姿を目の当たりにして、私も自分で健康を大切にしよう。この世界は健康を害したらダメだと感じましたね
  • 衆議院議員会館の本棚
  • 疾風に勁草を知る 困難や試練に直面した時こそ、その人の意志の強さや人間としての値打ちがわかる
  • 妻は高校まで慶応、大学は獨協医大


  • 自己ベストとは、己の本当の意味での限界のことである
  • 海外にでると必ずマクドナルドを探すようにしていた。これだと味はそう変わらないからだ。お腹をこわすリスクも減らせる。海外遠征のときは贅沢を言っていられない。旨い飯を食うために来たのではないのだ。ここには、自分の一生を賭けて闘うために来たのだ。
  • WGPシリーズ 第一戦 サンノゼ 87.68m 世界新は再計測で87.60
  • やり投げ屋」は、どこへ行こうが、どんな条件でも投げなければならない。そしてその記録は、受け止めなければならない
  • 連戦が続くWGPの場合、試合が終わったからといって、その日の練習を休むわけにはいかない
  • 日本記録なんか、どうでもいい。記録には2つしかない。世界記録と自己ベストだ。日本記録など、外国ではだれも知らない
  • DNガラン戦 わたしのやりだけ届かなかった。私はソウルで一度、終わった男なのだ。人のせいにしたくもないし、やりのせいにしたくない。すべて自分の責任だ。
  • とはいえ、投げるやりがなくては試合にならない。仕方がないので、どこの国の選手だったか、日本語で「ちっと貸してくれんか」と声を掛けて、やりを借りることにした。みな2,3本のやりを持ち込んでいるのだから、一本くらい借りたってどうってことはない
  • こういうとき、人は「運が良い」と言うかもしれない。しかし、運も結局は、そのトウニンが引き寄せているのだ
  • 世界記録はもちろん最大の目標ではあった。しかしそれ以上に、私はそこに至る過程を大事にしたかった
  • それもこれも、誰より膨大なトレーニング量と、世界成功の技術を追究している自信からくるのだ
  • ただ己を向き合い、自己ベストを狙って投げるだけだ。そうすれば勝利は向こうからやってくるはずだ
  • 精神面の才能とは、やる気があるとか、そんな基本的な話でない。スポーツ選手にも、考える感性やセンスと言ったものが必要となる。それは簡単にいえば、「自分で考える力」があるかどうか、その考える方向があっているのか、とうことだ。
  • 私についてはもう、多くのひとが私の存在を忘れているようだ。私はそれで良いと思っている。一投にすべてを賭け、それにおおむね勝つことができたのだから。私には堂々と誇れる過程と結果がある。だから人々から忘れられても、私はなんとも思わない
  • あとがき
    • しかし、私は思った。忘れらたと思っているのは、実はあなただけだ。陸上関係者は今もまだ、あなたの鮮烈な投擲を覚えている。忘れようとしても、忘れられないのだ。今年のインターハイがちょっとした騒ぎになったのは、それを象徴しているのではないか。あの、鮮烈な、フォーム。誰よりも遠く飛んだやり。私もまた「溝口のやり」をわすれられない一人だった。
    • 彼の原動力であった「馬鹿にされたら絶対に忘れない蛇のような執念」だろう

  • p8 過去を否定することは、自分の足をめがけて弾を撃つことであり、上に向かって唾を吐くということみたいな気がする。 いいことも悪いことも含めて、それが今の自分をつくっているわけで、それを否定しても始まらない。むしろ、「イヤなものはイヤ」「嫌いなものは嫌い」と言い続けてきたからこそ、今の自分があるとも言えるのだ。僕は僕であり、ぼくでしかない。過去を否定してもしょうがないし、公開することに意味はないのだ。「後悔」ばかりして「反省」しなけれあば、「失敗」は永遠に「失敗」である
  • p33 アルテアにBASICを乗せるために、ハーバード大学の大型コンピュータにアルテア8800のマネを指せるプログラムを書いて、そのなかで4kバイトに収まるプログラムをBASICでかきあげた ポール・アレン ビル・ゲイツ
  • p36 いきなり国際電話 マイクロソフトビル・ゲイツにつないでくれ
  • p62 国際コンピュータアート展 甲陽学院高校をずる休みして、飛行機で東京へいった
  • p65 「興味のある場所」に行くだけで、人生は自然に拓ける
  • p180 オリベッティ 北イタリアのイブレアという町をデザインしていた
  • p251 過去を注釈するから人は苦しむ
  • どんなに認めがたいことであっても、起きてしまった過去を素直に受け入れ執着を断ち切り、自分の改めるべきことを反省することで、過去を乗り越えて行くしかないのだ
  • p313 パワハラはできない上司がやること
  • p316 相棒と二人で仕事をするときは、何も言わんでも仕事はできる
  • 10人の人と一緒に仕事するときは、10人まではああせいこうせいと命令することができる
  • 100人の人と仕事をするときは、教えるようんあ気持ちで仕事をせんとあかん
  • 1000人の人と仕事をする場合は、君らたのむわ、一つよろしくおねがいしますという気持ちでないと仕事ができへん
  • 一万人 諸君らの幸運を祈ると、祈るような気持ちでないと、一万人のひとは動いてくれない
  • p318 大切なのは、即断即決の瞬発力と熟慮する慎重さのバランスなんだろう
  • p320 会社がきちんと回っていて、月末にみんなに給料が払えることが、どれだけありがたいことか。会社のデスクで仕事をしていて、ふとそんなことに気づいて、「ああ、幸せだな」と思うときが何度もあった
  • p321ビル・ゲイツとの若い とりもったのは当時マイクロソフト日本法人社長の成毛眞
  • p329 大川功 わしはな、会社のお金を遊びにつかったことは1円もないんや。
  • p324 お前の言う嫌いなやつにも、お前が指摘するような欠点はあるんだろうよ。だけど、そいつらの欠点をどう受け入れて、いいところを見ながら仕事ができるかどうかが、お前の経営者としての器だよ
  • p372 社長の最後の仕事は、社長を辞めることである
  • p381 50億円(3500万ドル)を現金でMITに寄付 年率25%で回しているときいて、2500万ドルに値切った
  • p415 お前、世の中は悪いやつばっかりや。お前は人がいいから、すぐ信じて突進する。前に進むときには右と左を見るだけじゃなくて、ちゃんと後ろも見ないとダメだぞ。そうしないと悪いやつが後ろからやってきて、やられるぞ
  • p418 セガのハードウエアの撤退を決めるとともに、ご自身の所有する有価証券と金融資産のすべて、総額850億円をセガに贈ることを決断した
  • 大川さんは、いつも「生まれるときも裸、死ぬときも裸」とおっしゃっていた
  • p452 一喜一憂しない。「すべてのことは過ぎ去っていく」
  • p453 感謝しているときが幸せなのだ 悪口をいっているときは幸せでない

邦人奪還: 自衛隊特殊部隊が動くとき

邦人奪還: 自衛隊特殊部隊が動くとき

  • 服で覆われていない嵐の顔だけが、宙に浮いていた。人間の身体は発光するのである。極めて微弱な光だから服を通すことはないし、肉眼では見えないとされているが、暗闇での訓練を重ねている藤井と黒沼の目にはぼんやり映る
  • 米軍はレベルの高くない人間10人で、ちゃんと10人の力を発揮する組織を作る
  • 日本はレベルの高い人間が山ほどいるのに、ちゃんと10人集まっても6の力しか出せない
  • 法が国を支配するのは平時だ。非常時は現実が国を支配し、その現実に見合った判断をするのが我々だ
  • 情報があるに越したことはないです。でも、情報が少ないから作戦ができないなんてことはありません。
  • 情報というものはいつも足りないし、間違っているもんなんです。本当に足りなくて困るのなら、自分で取って確かめればいい
  • 武力を使うのであれば、必ず何かを失います
  • 特殊部隊の運用は別です。計画通りにいく特殊作戦は絶対にありません。必ず変更があります。
  • 我々は、拉致被害者がお気の毒だから行くのではありません。拉致被害者の奪還すると決めた理由、すなわち国家の意志に自分たちの命を捧げるんです。そこがあやふやなのであれば、我々はいけません。いや、行きません。クビになろうが、死刑になろうが行きません。
  • 作戦というものは計画通りには絶対にいかないものです。変更につぐ変更がなされます。しかも、それは現場の隊員が行わなければならないのです。軍事作戦ですから、直接人命が関わる変更を、実弾が飛び交う中でやりつづけるのが特殊戦です。彼らが悩み、迷った時、必ず立ち返るのが作戦の目的なので、今回で言えば、「なぜ、多くの犠牲を払ってでも拉致被害者を救出するのか」、それを達成するために最も適切な方法を現場で判断するわけです。それがなければ一切の変更ができません。それはそのまま全滅を意味します
  • 軍事作戦は、国家がその発動を決意し、国家がその発動を命じて初めて行われるものだからです。だからその目的とするところは、国家が存在する理由、すなわち国家理念を貫くため以外であってはならないのです
  • 19名の隊員たちはメモ台付の折りたたみ椅子にすわっていたが、メモをとっている者はいない。この部隊に話を書き取る習慣はない。すべて記憶するのだ
  • 俺たちは軍人としての権利は主張できず、命令に従うという義務のみを果たさなければならない。それが俺たち自衛官の宿命だ
  • 脳が活動すると大量の酸素を消費するため、特殊体部員は瞑想しているような感覚で、予定された行動を寸分の狂いもなく全員がこなしている
  • 捨てがまり 戦国時代の古い言葉 命を捨て敵の追撃部隊の進行を食い止め、稼いだその時間で本隊を逃がそうとする決死の戦法
  • 現場は混乱していない。それを指揮するものが現場を混乱させてはならない
  • これは非常時です。今は、現場を一番把握できている藤井のしたいようにさせるべきです。報告させて、何かを決めて指示する時間はありません。平時の訓練と同じことをチンタラやっていたら、さらに被害が拡大します
  • 世の中には、コスパじゃ割り切れねい物があるんだ。救出できる人数とその際に失う人数の割が合わないので見て見ぬ振りをします、それはねえ。一歩も一ミリも譲れないものってあるよな。その時のために俺たちはいるんだ
  • 人事発令されたら指揮官になれるとでも思ってるんですか。あなたが指揮官かどうか決めるのは、上のものではないんですよ。あなたより下のもの、俺たち部下がきめるんです

慢性痛に対する認知行動療法の実際 第1回

  • 「慢性痛に対する認知行動療法の実際」に関する4回のwebinarが開催されている
  • 一回目(2020/10/16)の申込みに間に合わなかったので、後日公開されたアーカイブを拝聴した。
  • 一回目のテーマは「慢性痛CBTのプレパレーションと導入」。
  • 非常に有用なwebinarで、その中で心理師と医師(麻酔科医)の対話の部分(36分-48分ころ)が興味深かったので、以下にまとめを載せます
  • CBTの適応について考えること
  • 痛みはどうして起こっているのか?
    • #1 体に何か損傷が起こって痛い場合
    • #2 それ以外に、患者さんの生活の中で何か体の中に害を及ぼしうるであろう出来事(いわゆる心理社会的要因)があるような方
    • よくある(心理社会的要因)のが、経済的心配(会社を首になりそうだ、経済的にやばい、明日食べるのに苦労)で、体に害が及ぶ可能性があるわけで、そういうとき痛みがでやすい、そういう方は、検査では異常がででこない。でも痛み強い
    • #2がCBTの適応
  • 慢性痛は今まで脳の誤動作と説明していたが、誤作動というよりは、体が何かのメッセージをだしているのであろう
  • からだの中で損傷が起こっている場合もあるし、または体の外で生活のなか何かうまくいかないことがあって、それが体に影響を及ぼしそうなときに痛みとして症状がでのではないか
  • その他の治療について
    • 試していない治療をすればよくなるはずだと思っている人もまれにいる 
    • 体の治療にかけたい 一発逆転をねらう
    • 何かしてもらう治療に期待されている段階だとCBTは難しい
  • 患者への説明
    • 生活の中で何かしんどいことがあると痛みは出やすい
    • 不必要に薬は使わないように注意している
      • その意図 薬で症状を消そうとするのはよくない
      • 症状(痛み)は何かのメッセージであるので、それをただ単に薬で消すのはよくない 
      • 薬に頼ってしまうことがおこりうる
  • オピオイド
    • 体の中の損傷がある場合はよい。損傷がはっきり見当たらない場合使ってはいけない
    • 慢性痛でも、がんの場合は使う 
    • 明らかな損傷がない、原因が見当たらない場合は使わない
    • 医療者の痛みをとってあげようという親切心や使命感で処方されている場合がある
    • 警告信号をただ単に薬でとるのはよくない、危険
    • 薬剤乱用につながる
    • オピオイド使用すると効く。心理社会的な、あるいは生活の中での困難感がある場合でも効くが、効くからこそよくない
  • 精神疾患の併存例
    • 難しい かかりつけの精神科医と連携が必須 
    • 自殺企図に注意
  • 臨床で注意していること
    • 多剤にはもっていかない
    • 注射 立場上することがあるが、痛みだけを取る目的で少なくとも長期にしない
    • 生活支障に話をふる(大事)
  • CBTを希望する患者はよいが、CBTを希望されない患者、痛みをとってくださいという患者への対応に苦労、試行錯誤している
  • そのような方は、自信がなかったり、精神的エネルギーが少ない印象
  • 対応 そのような患者ををそのまま受け入れる そのままでいいのでは、そんなにがんばらないでいいと説明 うまくいかないことがおおい そのような場合、CBTには回さない
  • 役割分担が必要
    • 薬、ブロックという伝家の宝刀を患者は医師に求める
    • 心理師にはもとめない これはある意味、利点となる

There is more to pain than tissue damage: eight principles to guide care of acute non-traumatic pain in sport.

Caneiro JP et al : There is more to pain than tissue damage: eight principles to guide care of acute non-traumatic pain in sport. Br J Sports Med DOI: 10.1136/bjsports-2019-101705

  • #1 外傷がない場合、痛みは組織損傷を示すと仮定してはいけない
  • #2 ケアに直接影響を与える場合や、重篤なまたは特定の病理が疑われる場合のを除き、画像診断のために紹介しないでください
  • #3 痛みの原因となる生物心理社会的因子を調べましょう
  • #4 診察や治療時に痛みに関してポジティブなメッセージを伝えましょう
  • #5 負荷やスポーツをする際には組織の耐久性を向上させましょう
  • #6 動的なな管理の補助としてのみ、受動的な治療を使わない
  • #7 自己効力感を構築するために、共有した意思決定を使いましょう
  • #8 統一したメッセージを届けるために学際的アプローチを使いましょう。

スポーツの痛みに限らず、一般に応用可能。

  • "あなたはアスリートの痛みをどのように捉えているか注意していますか?”

慢性疼痛に対する心理アプローチ

田中佑、安野広三、細井昌子 慢性疼痛に対する心理アプローチ 臨床と研究 2020;97(2):210-206

  • 生体に侵害刺激が加わったときに生じるのは、痛みではなく侵害受容であり、痛みはこれらの経験からの学習の結果として取得した不快な感覚・情動体験である。すなわち、すべての痛みには心理社会的要素があり、心理的な側面を無視して痛みの診療を行うことはできない
  • 慢性疼痛患者を診療する際には、「痛みの原因を取り除くことができれば痛みも良くなる」という一元的な原因論だけでは解決できないことが多く、biomedical modelだけでは限界があるため、bio-psycho-social modelが重要視される
  • 患者と共同作業で病態仮説を考え、心身相関の経路を同定または推察することは、患者に心身相関の気付きを促し、治療ターゲットを明確にするために重要であり、心身症の治療動機を高め、その後の再発・再燃予防に役立つ
  • 著者らは、ライフレビューを心理社会的背景の情報収集として行うと同時に、ナラティブ・セラピーとしても意識して行っている。自我は語ることによって構成され、語り直すことによって再構成され、新しい自我がもたらされるようになる
  • 不活動に対して やりたい活動を一緒に整理し、small stepで「今すぐ実行かのうなこと」まで細分化し、痛みはありながらも実践し、その達成感を味わって自己効力感を高めていくと同時に、不安に囚われて反芻している時間を減らしていく行動活性化の手法がとられる
  • 過活動に対して 「ペーシング」の練習を指導
  • 失感情症、失体感症に対して 心理面接では、ライフレビューや患者が不適応を生じている状況について語る際に、治療者から感情とそれに伴う身体感覚に焦点を当てた質問を投げかけて内省を促し、場合によっては感情のリストを参照しながら、または治療者側から一般的に生じる感情について説明して実際に患者が感じているものと照らし合わせるなどの感情教育を行う
  • 自身がそのときどきで感じた陰性感情を素直な言葉で書き綴るエクスレッシブ・ライティングも併用し、自身の感情への気づきとその言語化する力を養うとともに、感情表出によるカタルシスを体験していただく
  • 同じ否定的な内容が複数回繰り返しでてきた(反芻)際には、正の字でカウントするというアレンジを加えており、自身が苦しめられるパターンを意識化すること、それを治療者や家族・友人などの重要な他者に相談して一緒に対処法を考えることを促している
  • 慢性疼痛患者は、他者配慮的な生き方を信条としている方が多く、自己と他者の境界線が曖昧で、患者の予想に反して独善的に過干渉/過剰適応となっていしまっているパターンが、祖父→母→親→患者→子どもと複数の世代に渡って繰り返されていることを視覚的にもわかりやすく確認できると、良い意味でショックを受けて行動変容に繋がることもある
  • 通常の心理面接の基本となる傾聴では、中途半端にトラウマ記憶に暴露してしまうことになり、症状を悪化させる恐れがあり注意を要する。著者らは、解離症状を認める、人生の一定期間を思い出せないなど、トラウマ体験の存在を疑う患者に対しては、ライフレビュー前にナラティブ・エクスポージャー・セラピーの「花と石/人生ライン」と呼ばれるワーク(紐を人生の時間軸に見立て、束を端に伸ばし、その上に「良い体験」を花で、「辛い体験」を石で表して置く)を行い、およそどのような出来事がるのかを事前に確認し、ライフレビューではそこには敢えて触れずにおき、必要ならば環境調整やコーピングスキルの習得などによる安定化を図った後、エクスポージャーなどのトラウマ治療の機会を別に設けるようにしている