熊澤孝朗
一般的な痛みモデル 急性痛モデル 神経障害性慢性痛症モデル 神経を部分的に損傷するモデル chronic constraction injury (CCI/Bennett) partial sciatic nerve ligation model (PSL/Seltzer) spinal nerve ligation (SNL/Chung) spared nerve injury (SNI) …
動かさないということが、慢性痛症の引き金になってしまったり、慢性痛症をかえって悪化させてしまったりしている場合があるのです。 急性痛と慢性痛 慢性痛症 原因となった傷は治っているのに痛みが治まらなかったり、あるいは検査でどこにも原因らしき病巣…
急性痛 できるだけ速やかな除痛が望まれる 慢性痛症 特に日本においては、この慢性痛症という病気への理解が不足しているために、痛みがあるなら損傷部位があるはずであるという考えが患者だけでなく医療者側にも未だ横行している 薄紙をはがすように一つ一…
国際疼痛学会の痛みの定義 2つの重要な点 痛みは感覚か情動かという問題に対して、その両者ともが痛みとした 身体に傷害部位が検出できなくても、患者が訴える痛みが痛みである 学際的痛みセンターの活動で最も重要な役割の一つを担うのは理学療法士である …
吉本隆彦、熊澤孝朗 生理的な痛覚系 痛みの病態生理第4回 理学療法 2008;25(3):580-587 痛みは触覚が強くなったものでなく、一つの感覚 特徴 特定の種類の刺激に対して感度が良いということはない 痛覚には順応がおこらない 順応しないどころかpositive feed…
一次痛 鋭い識別性に富んだ痛み 空間的時間的な識別性のよい痛み 高閾値機械受容器 Aδ線維ー脊髄後角I層ー二次ニューロンの脊髄視床路を上行-視床の外側腹側部で三次ニューロン-皮質感覚野 ニューロンの乗り換えは3回と少なく、特急列車的に大脳に達する 二…
痛み研究の歴史 ギリシャ医学 アリストテレス 痛みは心臓に宿る嫌な情動である ピタゴラス 脳が痛みを近くする 17世紀のデカルトにより復活 18,19世紀 鎮痛法として電気磁気刺激法、モルヒネ、アスピリン、局麻 19世紀末 von Frey フォンフライ毛で皮膚を…
痛みの理学療法学といったものは未だに確立されていないと思っており、これから理学療法士自身が自らの体験をもとにして、最近の痛みに関する研究成果を踏まえて独自の学問を作り上げていくべきものであると考えている。 「ペインー臨床痛み学テキスト」2008…
痛みには、組織障害の症状としての痛み以外に、組織の損傷が治癒した後にも神経系の可塑性によって生まれる痛み、つまり慢性痛症の存在が明らかになったことがそれまでの痛み概念に変革を起こした。 慢性痛症 痛み系にうまれた可塑性な歪みによって生じた新…
長期期間持続的に痛覚系が働いた場合などに、原因病巣が治癒しているにもかかわらず痛みを発し続けることがある。これは、神経系に出来上がってしまった可塑的な歪みによって引き起こされる痛みであり、痛覚受容器の興奮とは関係なくおこる。 神経系の可塑的…
痛みはヒトにおいて言葉で訴える感覚である ギリシャ医学 痛みは心臓に宿る不快な情動 by アリストテレス 同じ時代にピタゴラスらは、痛みは脳で知覚される感覚であると考えた 痛みは感覚か情動かが論点である時代が続いた 1960年代後半 Perl 皮膚への針刺し…
長期間持続的に痛覚系が働いた場合に痛覚系が変容を来たし、痛みの原因であった病巣が治癒した後にも痛みを発し続けることがある 国際疼痛学会の痛みの定義 不快な感覚性、情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表…
アメリカ議会 2001年からの10年を痛みの10年とすることを採択 原因病巣が治癒しているにもかかわらず痛みを発し続けることがある。これは神経系に出来上がってしまった可塑的な歪みによって引き起こされる痛みであり、痛覚受容器の興奮とは関係なく起こ…
慢性痛は、急性痛が単に長引いたものでない 慢性痛は、痛み系に生じた、タンパクレベルから神経回路の構造レベルも含めた可塑的な変容の産物 慢性痛は、痛み系に新たに生じた病気 慢性痛の発生には、文化、社会制度、医療制度など、人間のあらゆる営みが深く…