森山萬秀 慢性疼痛治療におけるペインクリニック医師の役割 Medical ASAHI 2009 Jun 55-57
- 当科を受診する慢性疼痛疾患は多岐にわたる。その多くは、薬物療法に抵抗する神経障害性疼痛や筋肉に起因する疼痛である
- 痛み刺激が脊髄後角に入力されることで、疼痛部位の交感神経系の興奮による血管収縮や、前角を介した筋肉の収縮がおこり、有痛性代謝産物の局所蓄積で疼痛が増強 (痛みの悪循環)
- ペインクリニック医師の役割
- 患者の訴えを受入れ、治療の説明を十分に行う
- 神経ブロック療法、鎮痛薬の必要性を確認する
- 強力な末梢神経遮断に反応しない場合は、痛みの主因は脊髄より中枢側に移行していることが示唆される
- 疼痛機序判別試験における偽陽性に留意する
- 無効の薬物療法を避ける
- 神経障害性疼痛に対しては、三環系抗うつ薬が第一選択
- 抗不安薬は不眠が全くみられない持続痛に奏功することが多い
- 抗けいれん薬は、他の薬物療法や神経ブロック療法を試みた後の追加鎮痛手段として位置づけている
- 神経ブロックを診断的に用いる
- 心理社会的な関与にも留意し、あらゆる手を尽くす
平川奈緒美 ペインクリニックにおける慢性疼痛の系統的治療 Medical ASAHI 2009 Jun 58-59
- 慢性疼痛を診断する上で重要なことは身体的な要因と心理社会的な要因がいかに関与しているかを把握すること
- 神経傷害性疼痛の場合には、まず、三環系抗うつ薬、抗けいれん薬であるガパペンチンを選択する。ガバペンチンは発作性疼痛および持続痛のどちらにも有効である。
山本隆充、深谷親、片山容一 各種神経障害性疼痛に対する脳脊髄刺激療法 Medical ASAHI 2009 Jun 60-61