2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
森山周、信迫悟志、大住倫弘 神経科学に基づいた慢性痛に対するリハビリテーション戦略 Pain Rehabilitation 2015;5(1):3-10 痛みの側面 急性痛、慢性痛 感覚的側面、情動的側面、認知的側面 慢性痛の神経プロセス 損傷ー疼痛ー運動抑制ー疼痛防御行動ー学習…
渡部文子 痛みから捉える情動記憶の神経回路基盤 生体の科学 2016;67(1):51-55 情動には外界から入ってきたシグナルの”価値”に応じて、自らの行動を強力に駆動する力がある ダーウィンの情動の定義 非常事態にさらされた生物が、適切に対処し、生存の可能性…
笠原諭、國井泰人、丹羽真一 薬物で解決できない慢性疼痛 精神科からの提言 臨整外 2017;52(1):76-79 筆者の慢性疼痛外来で合併するパーソナリティ障害 強迫性(39%)、依存性(22%)、演技性(14%) C群の強迫性パーソナリティや依存性パーソナリティは、わが国で…
粳間剛 検査で痛みがなければ痛みは精神的なモノ? 地域リハ 2017;12(10):864-871 「検査で異常がないから問題ないです」って言う医療者は、動かしてもいないのに部品だけ見て問題ないといい、何もしてくれない修理屋さんと同じじゃないのかな うつなどの精…
西松能子 疼痛と精神科 麻酔 2003;52増刊:S83-S93 通常どこにでもあるような、ささいな社会的不適応と漠然とした不安、心理的不調に加えて、ただ患者の”痛い”という訴えのみが存在する。特に社会的に、”心の痛み”が受け入れられにくく、“体の痛み”は受け入れ…
戸田克広 身体症状症と中枢性過敏症候群(あるいは線維筋痛症) 精神科治療学 2017;32(8):1087-1090 身体症状症では医学的に説明不能の身体症状(身体症状症)であるか否かを問われなくなり、身体症状、またはそれに伴う健康への懸念に関連した過度な思考、感…
吉野敦雄、岡本泰昌、神人蘭、森麻子、高垣耕企、堀越勝、山脇成人 身体症状症の認知行動療法 精神科治療学 32(8):1083-1079 身体症状症は、「苦痛に感じる身体症状」と「それらな症状に対する過度な思考や感情や行動」と主な主徴とする疾患である つまり器…
西原真理 身体症状症、疼痛が主症状のもの(従来の疼痛性障害) 精神科治療学 2017;32(8):1009-1013 DSM-5から身体症状症(疼痛が主のもの)が新しく登場したが、これまでの概念から大幅に変更されたものといえる。改善点は特に医学的に説明できないという点…
宮地英雄 身体症状症 精神科治療学 2017;32(8):1003-1007 身体症状症は、DSM-5から登場した用語で、身体化障害の後継とされるが、身体障害の身体基準では身体症状が厳しく規定されるのに対し、身体症状症では身体症状に対する思考、不安、行動を基準の核にし…
森山周 慢性痛の脳内メカニズム 体躯の科学 2017;67(8):573-578 痛みの多面性 感覚的側面、情動的側面、認知的側面 内側前頭前野 感情をコントロールする際に働く 背中外側前頭前野 DLPFC 目標を決めて行動するなど、ワーキングメモリに関与する領域 慢性腰…
乾幸二 痛みの伝導路と侵害受容による脳反応 最新精神医学 2017;22(2):85-91 侵害受容器 高閾値機械的受容器 特異的侵害受容器 nociceptive specific;NS Aδ線維 脊髄第I層(Aδ) ポリモーダル受容器 広作動域 wide dynamic range ;WDR C線維の自由神経終末 脊…
井上雄一 痛みと睡眠問題 最新精神医学 2017;22(2):109-115 睡眠と睡眠障害両者の併存は病態を双方向に悪化させる悪循環を形成する可能性がある FM患者のQOL改善のためには睡眠障害の理解と対応が必須事項であると考えられている FMでの自覚的な睡眠障害 45-…
加藤総夫 痛みと情動の生物学的基盤 最新精神医学 2017;22(2):93-102 痛みのマトリクス 1-4の総体が、我々の痛み体験を形成すると認識されるに到った 1 あらゆる痛みに共通の単一の「痛み中枢」は存在しない 2 むしろ、侵害受容入力は、きわめて多くの広範な…
笠原諭、松平浩、荒瀬洋子、村上安壽子、高橋直人、矢吹省司 慢性疼痛の臨床に必要な心理社会的評価尺度 MPI 最新精神医学 2017;22(2):103-108 MPI;Multidimentional Pain Inventory 認知行動療法を慢性疼痛患者に適応する際に、直接的にターゲットになるの…
平林万紀彦 痛み診療における森田療法の役割 最新精神医学 2017;22(2):131-137 ‐身体因の有無を問わず痛みがこじれるときは「痛みを嫌うと痛みに注意が向いて」「痛みに過敏になり」「痛みを恐れてますます注意を向きやすくなり」「さらに過敏になり苦痛が強…
慢性疼痛と幼少期の体験 ペインクリニック 2017;38(8):1025-1026 幼少期の体験が成年後に与える情動行動面への影響について、近年、医学領域でも注目されてきている 知的障害については、その後の英国のあたたかいケアを受けるなかで改善したが、6ヶ月以上…
塩路理恵子 身体表現性障害の森田療法 心身医 2014;54(4):326-331 森田はその成り立ちを「とらわれ」から理解し、注意と感覚の悪循環が働くことを指摘した 身体の不調に対する不安、疾病に対する恐怖の裏に「仕事をやり遂げるために体調を万全にしておきたい…
太田大介 総合病院心療内科での森田療法の実践 心身医 2015;55(4):346-351 不定愁訴患者のとらわれを森田のいう思想の矛盾に照らして理解すれば、かくありたいという自分像と現状のかくある自分との間を埋めているのが各種身体症状といえる。 患者の身体症状…
野間俊一 DSM-5によって失われた身体症状症に関連する歴史的概念 精神科治療学 2017;32(8):997-1002 「心気症」には身体的特徴と、それに対する疾病不安という二節制が存在するが、DSM-5では身体症状のあるものは「身体症状症」へ、不安症状は「病気不安症」…
磯村周一、鬼塚俊明 身体症状症の概念 精神科治療学 2017;32(8):991-995 新たな診断基準(DSM-V)の要諦は、以前のように身体症状に対して医学的説明が出来ないことを強調するのではなく、むしろ陽性の症状および兆候(苦痛を伴う身体症状に加えて、そうした症…
本島昭洋 痛みと関連とした症例の経験 臨床精神医学 1996;25(12):1489-1495 Kleinmanによると、病とは経験であるが、痛みのなかには、実につらく苦渋に満ちた経験があると考えられた Heibronnらは、pain pron disorderと名付けて特徴を上げている 臨床的特徴…
佐藤寿一 身体表現性障害患者への対応 現代医学 2015;63(2):147-148 身体表現性障害への対応のポイントは、1共感的態度を示す、2身体的に異常がないことを保証する、3症状が表れる機序(病態)を説明する、4症状と付き合う各画が必要であることを説明す…
佐貫一成、山本晴義 身体表現性障害(身体症状症および関連症群) 臨床と研究 2016;93(5):626-632 身体症状症 DSM-V DSM-IVに比べて実用性を重視。その一方で診断基準の中では、身体疾患の有無や病因論には触れられていない 身体症状症の治療 身体症状の意味…
村上伸治 慢性疼痛における精神科的併存症の治療 臨床精神医学 2013;42(6):765-769 身体化障害とは、若い頃に始まり、疼痛をはじめとした多彩な身体的症状が、身体的原因がわからないまま長期間継続するものをいう。典型的な例をイメージするなら、若い頃か…
宮地英雄 身体表現性障害における疼痛性障害 産科と婦人科 2013;80(7):901-905 疾患概念に共通しているのは、身体症状は呈しながら検査所見が陰性、あるいは身体的障害が存在したとしても、症状を説明できない程度のものであること、心理的要因について話し…
土井永史、鮫島達夫 身体表現性障害 診断と治療 2011;99(6):959-963 身体表現性障害は、精神的苦悩と疾患行動が変容し肥大したものと記述できる 一般に未熟で依存傾向の強い人や自己顕示欲の強い人、不安が強い人の場合には、他者に対する身体症状の訴えが増…
松田孝之、氏家武 多彩な身体症状の奥にある心の傷 身体表現性障害 小児科臨床 2010;73(1):56-60 すべての身体表現性障害に共通した単一の治療法はないが、医療への強い依存を軽減し、症状への固執を解き、もてる機能を回復し、感覚のコントロールを高め、自…
水野泰之、福永幹彦 心療内科的アプローチのコツ 機能性消化管疾患の治療のコツ Modern Physician 2011;31(3):345-347 心理療法の目的 心の変化を介して身体症状の改善を図る 症状によって起こっている障害の軽減を図る 「この病気はね、すこし変わっている…
遊佐安一郎 承認(validataion):感情調節困難な患者との治療的関わりにおいての承認の意義 精神療法 2014;40(6):851-857 Linehanは承認を「セラピストが患者に対して、患者の反応は現在の生活において当然のことであり、理解可能なものだと伝えつことである」…