身体表現性障害における疼痛性障害

宮地英雄 身体表現性障害における疼痛性障害 産科と婦人科 2013;80(7):901-905

  • 疾患概念に共通しているのは、身体症状は呈しながら検査所見が陰性、あるいは身体的障害が存在したとしても、症状を説明できない程度のものであること、心理的要因について話し合おうとすることを嫌がる、検索を要求し、うまくいかないと憤慨する、などがある
  • 問診では、痛みが出現した契機、経緯、その後の症状の変動、付随する身体症状および精神症状がどの時点で出現したのか、途中で消えたことがあるのか、どの順で出現したのかなど、ライフイベントをあわせて表を作り、整理するようにする
  • 痛みに対しての思考、耐溶性は、個々様々であり、このことを治療者は意識して、焦っているケースにはあわててもよくないことを伝え、悲観的になっているケースには、この痛みが理解されにくいことを理解、共感するようにして、維持期につなげていくようにする
  • 薬物療法としては、通常の消炎鎮痛剤はほとんど効果がない。十分説明した上で一部抗うつ剤を使うことがある
  • 維持期としては、始めに十分説明しても、患者がなかなか改善しないことに苛立ちを訴えるケースも多い。そういうものだと突き放すだけではなく、引き続き日常生活や思考の分析、初診時から診て改善している部分があること、継続して来院できていることなどを支持するようにしていく