2008-01-01から1年間の記事一覧

p45 柴田政彦 痛みのアセスメント

痛みの客観的測定法の確立 著者は否と考える 痛みとは、個人のある種の脳活動を痛みという言葉を介して他人に伝達する際に使われる仮想的な概念 痛みのアセスメントには侵害刺激、痛み、痛み行動を理解することが必要 痛みの原因が単純な場合、痛み=痛み行…

p38- 山口佳子、熊澤孝朗 慢性の痛みをもつ患者さんがこられたら

急性痛 できるだけ速やかな除痛が望まれる 慢性痛症 特に日本においては、この慢性痛症という病気への理解が不足しているために、痛みがあるなら損傷部位があるはずであるという考えが患者だけでなく医療者側にも未だ横行している 薄紙をはがすように一つ一…

痛みのケア―慢性痛、がん性疼痛へのアプローチ作者: 熊澤孝朗出版社/メーカー: 照林社発売日: 2006/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (1件) を見る

鈴木重行 運動器の痛みのアセスメント MB Med Reha 2007;79:30-38

Boos 椎間板ヘルニアそのものが腰痛の原因となることはむしろ珍しく、症状を起こすためには神経根の圧迫が大きな要因 菊地 椎間板ヘルニアによる神経根へ機械的圧迫のみでは、単なる下肢に重苦しい感じを訴えるだけで、痛みを引き起こさないと結論付け、疼痛…

松原貴子 慢性痛のリハビリテーション MB Med Reha 2007;79:21-29

本邦 慢性痛にたいしても急性痛と同じように、痛みを合併症の一つとして組織損傷が存在するかのように追及し、通り一遍にこの対症的な治療がとりおこなわれてきた 慢性痛は神経系の可塑的変化によって生じることが示唆されている。したがっていまや疼痛部位…

細井昌子 痛みと心身医学 MB Med Reha 2007;79:13-20

慢性疼痛の治療 患者の苦痛、困難、苦悩をいかに多面的に理解し、患者の感情の安定化を図り活動性を上げていくかが慢性疼痛の治療の鍵 痛みは主観的な不快な感覚体験のみでなく、不快な情動体験であるという観点が重要であり、本人が痛みを表す言葉でその体…

柴田政彦 痛みとリハビリテーション MB Med Reha 2007;79:9-12

痛覚系は情動を含んだ系であるため、個人差や環境の影響を受けやすく、単一の方法では不十分であり、個々の症例に応じて効果を確認しながら対応方法を修正するというアプローチが必要となる 慢性疼痛に対する認知行動療法とは、教育とリハによって、痛みがあ…

MB Med Reha 2007;79 1

中塚映政 痛みの概念、急性痛と慢性痛 MB Med Reha 2007;79:1-7 症状としての痛みと病気としての痛みとの違いが明確になってきた 痛みは数値で客観的に評価できないこと、医療者を含めた他人には理解できないこと、我慢することを美徳とする考えなどによって…

臨床痛み学テキスト 7

第21章 がんの痛み 癌の痛みの原因 3つ 癌が進行し組織に浸潤して生じる痛み 75% 治療が原因で生じる痛み 20% がんやその治療とは別の理由で生じる痛み すべての痛みに言えることであるが、痛みを身体的な面だけでとらえるべきではない。癌患者にとって、身…

臨床痛み学テキスト 6

第15章 生活と管理 痛み患者に対しては、現実的な生活の目標を患者に選択させること、そして痛みがあってもうまく生活できるように促していくことに主眼を置き、これらの目標を達成するための方法を検討する 痛みとともに生きるためには、主に認知過程と行動…

臨床痛み学テキスト 5

第13章 運動と痛み 低強度の等尺性収縮運動は、関節の安定性に関与する筋群の再教育と強化を目的に実施される。たとえば腰痛患者では多裂筋を、膝蓋大腿関節痛患者では、内側広筋を、それらの周囲筋とは別に個別に訓練できれば関節の安定性の回復につながる…

臨床痛み学テキスト 4

第9章 心理学に基づいた痛みのマネジメント 痛み行動 痛みに対する口頭による反応 (うめき声をだす、ため息をつく) 言葉によらない痛み行動 (しかめ面をする、さする、足を引きずる、スプリントなどをする) 全体的な活動レベル (すわっている、横になる…

臨床痛み学テキスト 3

第8章 痛みの治療におけるすべての医療スタッフに通じる基本理念 患者は自分の痛みについて正しく理解していれば痛みとうまくつきあっていけるが、痛みへの理解が不十分だと痛みにうまく対処できないことが懸念される。 他にあきらかな原因がないから、心因…

臨床痛み学テキスト 2

第7章いたみのアセスメント 痛みの3つの成分(表現、反応、影響) 痛みの測定を包括的でありながら無駄のないものとするために、三つの面(言葉による痛みの表現、痛みに対する反応、痛みのよる影響)のそれぞれからひとつづつの測定ツールを選ぶことが賢…

ペイン:臨床痛み学テキスト作者: Jenny Strong,Anita M.Unruhほか,熊澤孝朗監訳出版社/メーカー: エンタプライズ発売日: 2007/12/07メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る第一章 痛み学への誘い 序論 痛みは情動…

臨床心理学 2005;5(4) 4

吉川吉美 痛みと臨床動作法 臨床心理学 2005;5(4):486-490 臨床動作法 成瀬悟策 からだの動きは、具体的には身体的、生理的な運動の形をとっているけど、本来的にみると当人自身の心理的な活動とその実現ないし成果だから心理現象というべきである 津川秀夫 …

臨床心理学 2005;5(4) 3

斎藤清二 慢性疼痛:痛みは語りうるのか?臨床心理学 2005;5(4):456-464 慢性疼痛とは、客観的、生理的に観察される病態から期待される程度とは著しく不相応な強い痛みが、長期間にわたって持続する病態 慢性の痛みは、単なる感覚でなく、精神生理学的な知覚…

臨床心理学 2005;5(4) 2

青木聡 痛みを捉えるための観点 臨床心理学 2005;5(4):450-455 痛みも4つの側面(行動的、社会的、文化的、指向的)において理解することが重要 痛みを、客観的事実、機能的適応、相互的理解、主観的経験の観点から観る 自尊心が高く、自分の能力を正当に評…

臨床心理学 2005;5(4)

森岡正芳 特集痛みとそのケア 特集にあたっって 臨床心理学 2005;5(4):439-442 「私」の痛みとしては、身体の痛みとこころの痛みは分けられない。 (痛み) 文脈に応じた情動表現の様式があり、それは文化の差も大きい 痛いと感じることの文化歴史的な差異、痛…

膝痛と関節鏡

http://www.carenet.com/news/det.php?nws_c=5853今日のcarenet.comのニュースに 変形性膝関節症の治療に関節鏡視下手術を併用しても利益なし と紹介あり。 new england journal of medicineにでたrandomized trialでevidence levelは高い理学療法と理学療法…

ギックリ腰無限ループから脱却する5ステップ

ギックリ腰無限ループから脱却する5ステップ http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0809/16/news015.html 腰痛でまず受診しているのが整骨院 とほほ 運動するーまず歩くというのはよい選択 わたしも外来で運動として万歩計をもたせて、どのくらい…

Simons R, Altman DG. Statistical aspects of prognostic factor studies in oncology. Br J Cancer 1994;69:979-985. A principle of good research requires that hypotheses be stated in advance. Study design. Prognostic factors studies can be pro…

入門 医療統計学―Evidenceを見出すために作者: 森実敏夫出版社/メーカー: 東京図書発売日: 2004/07/01メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 30回この商品を含むブログ (3件) を見る 生存時間分析についての平易で、かつソフトの使用例まで出ている本を探して…

p296 牛田享宏、大須賀友晃 整形外科の視点からみた集学的治療

慢性腰痛においては、いうまでもなく患者さんの生い立ちや社会生活環境、心理的要因などが大きく過重しており、単なる椎間板変性やその他の局所要因のみで説明を行うことは、治療においても誤った方向に進めていく結果になりかねない。 目指すもの 痛みの除…

p288 智原栄一 麻酔科医の立場から 他職種と連携していかに疼痛と和解する物語を導くか

前医における検査や診断の過程をていねいに説明するだけで、思いのほか患者が落ち着き、かつ感謝された経験をお持ちの医師は少なくないであろう 慢性疼痛の場合は、疾病と患者の関係は、急性疾患と比べてより緊密なものである。疾病を病害として否定すること…

慢性疼痛の理解と医療連携 3

p280 山口佳子、熊澤孝朗 慢性疼痛治療における連携医療の現状 慢性痛の定義 1994 IASP 時間経過に基づいた慢性痛の定義は不適当である 原則として、痛みに特効する療法に基づいた治療、あるいは非麻薬性鎮痛薬のような痛みのコントロールの決まりきった方法…

慢性疼痛の理解と医療連携  2

p256 永田勝太郎 慢性疼痛の心理療法 慢性疼痛は機能的身体疾患に属する。これはもともと健常な心身に、患者固有の生き様(生活習慣)が絡んで、生体のホメオスタシスに歪みが生じて発症してくる疾患といえる。 器質的病態の身体的病因検索を中心としたpatho…

p35 中井吉英,阿部哲也,水野泰行 心身症としての慢性疼痛の病態

p14 住谷昌彦、柴田政彦、山田芳 、真下節 神経障害性疼痛における医療連携

神経障害性疼痛 1994 IASP 神経系の一時的な損傷が機能障害によって引き起こされた疼痛と定義、臨床に即した神経障害性疼痛の定義には議論の余地があった 2008 IASP 神経障害性疼痛分科会 体性感覚系にたいする損傷や疾患によって直接的引き起こされる疼痛 p…

心身医学の医学医療モデルはbio-psycho-social medical model 多因子が関与する病態では、個々の因子への分解が不可能で意味を持たない 全体としてのシステムや各因子間の相互作用、関係性が重要 心身は不分離であり、多因子的な考察法が必要である 心身医学…