臨床心理学 2005;5(4) 2

青木聡 痛みを捉えるための観点 臨床心理学 2005;5(4):450-455

  • 痛みも4つの側面(行動的、社会的、文化的、指向的)において理解することが重要
  • 痛みを、客観的事実、機能的適応、相互的理解、主観的経験の観点から観る
  • 自尊心が高く、自分の能力を正当に評価されないと感じる反発心がくすぶるとそれが痛みとして表現されていた面がある
  • 社会的役割の再獲得で痛みがすっと消えてしまった事例に何度も驚かされた経験がある
  • 逆に重責のある社会的役割から身を引くことで痛みが改善した事例もあった
  • 社会的役割と痛み関連は案外深いのではないだろうか
  • 一人で介護を引き受けて疲弊したことが、痛みとして表現されていた面があると考えられる
  • 痛みの愁訴は文化的側面におおきく影響される。どう考えても、本人を取り巻く周囲の人々の態度が痛みを左右しているとしか思えない場合もある。
  • ときに痛みの愁訴は理解を求めるシグナルとして発せられるのであろう。