臨床痛み学テキスト 6

第15章 生活と管理

  • 痛み患者に対しては、現実的な生活の目標を患者に選択させること、そして痛みがあってもうまく生活できるように促していくことに主眼を置き、これらの目標を達成するための方法を検討する
  • 痛みとともに生きるためには、主に認知過程と行動過程が必要である

第17章 筋骨格痛

  • 関節軟骨には痛みの受容体がない
  • 関節症の痛みは他の構造やメカニズムから生まれることを示している
  • 軟骨と骨の崩壊は炎症メディエータの放出を引き起こし、そのため滑膜炎が起こり、滑膜の厚さがまし、関節液の量が増え、関節包内の圧力が高くなる
  • 正常な関節で機械的な痛み刺激に反応しない、機械刺激非受容性線維のグループがあり、これらの求心線維は炎症後に活性化し、動作によって関さされる。silent nociceptor
  • 筋と感覚運動機能の改善を目的とした積極的な運動は重要
  • 神経拘扼は関連痛の原因であるが、それだけでが原因となりうる因子ではないと考えられている
  • 痛みを出すには神経根の圧迫や牽引などの力学的な以上の前に、神経根の炎症の存在を必要とする
  • 伸張筋損傷と収縮筋損傷

第20章 慢性痛の問題

  • 慢性痛症の特徴
    • 手術や薬物療法を何度かうけたことがある
    • 従来の鎮痛法に反応しにくい
    • 正常な防御機構が低下している
    • 無力感、絶望感およびあきらも感情が通常よりつよい
    • 情緒と気質の変化
    • 心理的ひきこもり
    • 自尊心を失いつつある
    • 職業的役割を充分に果たせない
    • 非活動による身体的能力の低下
    • 人間関係の葛藤
    • 医療者との不和
  • 慢性痛と障害による心理社会的崩壊の要因
    • 幼児期の葛藤、放置および虐待
    • 心理社会的隔離
    • 無教養
    • 職業的技能の低さ
    • 孤立
    • 当人または家族の病歴
    • 適応困難、とくに薬物依存、うつ病、不安症の既往
    • 社会的支援の欠如
    • 現在の葛藤。特に複数の医療者の医学的見解の食い違いや、第三者との意見の不一致
  • 慢性痛症の患者が必要としているのは、痛みとの共生を図るための患者支援を主たる目的とする、包括的な学際的マネジメント
  • 自らの生活と痛みのマネジメントに極めて積極的であり、彼らの多くが、いったん自分自身の手綱を握ればうまく管理できるようになるた話していた