臨床心理学 2005;5(4) 3

斎藤清二 慢性疼痛:痛みは語りうるのか?臨床心理学 2005;5(4):456-464

  • 慢性疼痛とは、客観的、生理的に観察される病態から期待される程度とは著しく不相応な強い痛みが、長期間にわたって持続する病態
  • 慢性の痛みは、単なる感覚でなく、精神生理学的な知覚であり、複合的な体験である。
  • 慢性疼痛において、肉体の痛みと、心のいたみは、分ちがたく結びついており、痛みと苦しみを分離することは困難である
  • 痛みに苦しめられている人は、形式的には悪夢と全く同じ状況にある。そして悪夢の特徴とは
    • 恐ろしいことが身に降り掛りつつあり、もっと悪いことが起こりそうである
    • 外的な強制力に支配されており手出しができない
    • この苦難がいつになったら終わるのか予測ができない
  • 慢性疼痛の回復プロセス
    • 奪還の物語 痛みのためになにもできない、対処不能なものとしての痛み、説明不能なものとしての痛み
    • 混沌の物語
    • 探求の物語 痛みと悩みの分離
    • 共生可能のなものとしての痛み
  • 慢性疼痛の回復過程は、多元的な意味の変容の過程である。

有村達之 痛みへのアプローチ 心療内科認知行動療法 臨床心理学 2005;5(4):472-477

  • 痛みと認知
    • ストレッサーの捉え方(認知的評価)や対処の仕方によってストレスの強さは変わるため、痛みの認知的評価や対処の仕方は痛みへの適応に影響する。
    • 痛みに対して「自分はこの痛みに耐えられない」「痛みがひどくなるのが恐ろしい」などのようにネガティブな思考をしている場合(破局的思考)、痛みへの適応は悪く、痛み強度も強い
    • 痛みにうまく対処して痛みをコントロールできると思っている人は痛みへの適応がよい
    • 痛みを受入れているひとは痛みへのとらわれが少なく、日常生活をうまく送れている
  • 疼痛行動
    • 痛みの訴えは患者の社会的孤立を改善させる機能をもっている
  • 疼痛行動にともなう強化 小宮山
    • 養護反応
    • 現実回避
    • 葛藤回避
    • 家族システムの維持
  • 失感情症 alexithymia
    • 感情の言語化障害という意味、自己の感情の認識ができない、感情を他者にうまく伝えられない
  • 痛みの認知行動療法
    • オペラント法 とにかく体を動かす
    • ステレス免疫訓練
    • マインドフルネス瞑想法
  • 痛みの症状除去と認知行動療法
    • どの治療法でも痛みの除去よりも、痛みとうまくつきあうことや痛みがあても生活できるようになることが強調される