第9章 心理学に基づいた痛みのマネジメント
- 痛み行動
- 痛みに対する口頭による反応 (うめき声をだす、ため息をつく)
- 言葉によらない痛み行動 (しかめ面をする、さする、足を引きずる、スプリントなどをする)
- 全体的な活動レベル (すわっている、横になる)
- 鎮痛剤の使用
- 疾病行動 目立った、無視できないほどの振る舞いで、健康状態が乱れているというその人自身の認識を表現して伝えるもの
- 症状をどのように受け止めるか (お腹のこの痛みは耐えられない)
- 症状の重大さの評価 (この痛みからすると自分は癌をわずらってしまった)
- 口頭および非言語的行動 (大げさに足を引きずる)
- 自己医療 (湯たんぽをして横になる)
- 受診行動 (いくつもの病院をめぐる)
- 処置遵守 (行動療法によるマネジメントプログラムをほとんど信用しない)
- 通常の役割と活動 (いつもの役割を維持できない)
- 正常な疾病行動
- 患者はある症状に気づく
- 患者はその症状を報告する
- 患者は特別な検査の必要性を受入れる
- 患者は診断と勧められる治療に耳を傾ける
- 患者はその治療の勧めに応じるかどうかを決める
- 患者はその治療に従う
- 患者はよくなろうと努力する
- 病気というものは、身体的な問題、心理的な苦悩、疾病行動の三つが混合したもの
- 疾病行動の指標
- 解剖学的に合わない痛みの図示
- 感情的または評価的な言葉による痛みの記述表現
- デルマトームに対応しない触覚鈍麻
- 皮膚の過敏
- 垂直荷重による腰痛
- 領域性の感覚徴候
- 領域性の運動徴候
- 心理的アプローチ
- 再概念化
- 楽観主義を教え込み、士気喪失と戦う
- 個々の患者に合わせた治療を行う
- 治療に積極的に関わらせ、責任を持たせる
- 新たなスキルの習得に積極的に参加させる
- 自己効力感を促す
- 自分の成功に気づかせる
- オペラント条件付け
- 正の強化 positive feedback 負の強化 negative feedback 罰 punishmentという三つの基本要素がある
- オペラントー行動用語において、痛みは、痛み行動によって他者に示される不快な経験であると考えられている
- 医療者が示す積極的な注目もまた報奨となりうるが、それは痛みの側面とは一致しない。痛み行動を根絶させるためには、注目しないという方法を用い、治療中の痛み行動による表現を無視するようにする
- オペラント条件付けは,慢性的な痛みに関連した能力低下がいつまでもつづいている場合、特に病者の役割sick-roleおよび回避行動avoidance behaviorが続いてているときに重要である
- 認知行動療法における5つの前提
- 人は、情報を能動的に処理するものであり、受動的に反応するものではない
- 考え方は、気分を導き、それに影響を与え、また生理的な作用にも影響を及ぼし、社会的な影響をもち、行動を推し進める力となり得る。その反対に気分、生理的要因、環境的要因、および行動は、思考の過程における質と内容に影響を与えうる
- 行動は、個人と環境の両方の要因によって決められ、またそれらの要因は、行動によって決められる
- 人は、考え方、感じ方、行動について、より適応できる方法を学習していく者である
- 人は、適応できない考え方、感じ方、行動を変えることに積極的で協力的であるはずである。