p45 柴田政彦 痛みのアセスメント

  • 痛みの客観的測定法の確立 著者は否と考える
  • 痛みとは、個人のある種の脳活動を痛みという言葉を介して他人に伝達する際に使われる仮想的な概念
  • 痛みのアセスメントには侵害刺激、痛み、痛み行動を理解することが必要
  • 痛みの原因が単純な場合、痛み=痛み行動。器質的原因がはっきりしない慢性腰痛の場合には、鎮痛剤などの痛みを抑制する行為により、痛み行動が改善しない場合も多い
  • 侵害刺激がないのに痛みを感じる場合がある。これらは神経因性疼痛と呼ばれる。
  • 認知行動療法においては、治療の目的は痛みの軽減ではなく、痛み行動の減少においている。患者が痛いと訴えても取り上げない(分かりやすくいうと痛みの訴えに対して同情的な態度をあらわさない)
  • 救急医療において、下手に沈痛すると血圧が低下したり、呼吸停止をおこすといったような根拠のない言い伝えが今も脈々と引き継がれており嘆かわしい限りである
  • 臨床的痛み分類
    • 急性疼痛
    • 癌性疼痛
      • がんそのもによる痛み、手術や処置などのがんの治療にともなう痛み、がんとは関係ないいたみ
    • 非癌性慢性疼痛
      • 治療の原則は痛みとともに生きていくことを援助すること