リハビリテーションの効果をあげる認知行動療法

中島恵子 編集企画にあたって リハビリテーションの効果をあげる認知行動療法 Monthly book medical rehabilitation 2011;138:前つき1

  • 認知行動療法は、行動、感情、認知の問題を治療標的とし、問題の改善をはかろうとする治療的アプローチである。認知・情動面の問題には、自動思考、認知再構成、自己教示法、思考停止法、コーピング、認知的リハーサルなどの技法があり、行動面の問題には、動機付け、注意分散法、リラクセーション、苦手場面の社会的技能習得法、自己主張(アサーション)、運動などの技法がある。認知行動療法は、健康行動を形成するための解決志向、行動志向に適した問題解決型のアプローチであり、リハビリテーションの効果をあげるために、スタッフが活用できる療法であると考える

橋本圭司 リハビリテーション医療における心理療法の活用 Monthly book medical rehabilitation 2011;138:1-8

  • リハ診療において心理職に期待されるのは、様々な障害をもつ患者の精神心理状態を評価し、精神の安定化をはかるための介入であると考えられる。
  • 本田は、慢性疼痛患者へのリハプログラムの原則は、教育(認知的アプローチ)と身体活動負荷(行動療法的アプローチ)を組み合わせることにより、患者の「偏った認知(痛みは重篤な障害のサイン、治療には身体活動の制限を要する、などの理解)」を是正することにあるとしている