細井昌子 慢性痛難治化の心理社会的因子 養育スタイルとアレキシサイミア 痛みのclinical neuroscience 7 最新医学 2016;71(1) 104-107
- 慢性痛難治例の治療に当たり、「慢性痛という疾患」を治療するのではなく、「慢性痛を抱えた人を支える」という発想で治療を行う中でようやく得られてきた治療論があり、それは生きづらい環境の中で生活せざるを得なかった長年の苦境をねぎらうことから始まることになる。慢性痛の認知行動療法が注目される中、「認知の歪みという一言でまとめてはいけなない患者となった人間の苦境への適応努力を肯定的に受け止める治療者の柔軟な視点が、真に認知行動療法の有用性を高めることになろう
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- 養育環境の問題 子どもの苦しみ
- 親の余裕のなさ
- 養育スタイルの問題 過干渉、低ケア
- 前向きでいることを過度に強調
- 子どもの苦しみ
- ありのままの気持ちを語る場や時間の欠如
- ありのままの気持ちを語る意欲の喪失
- 嫌な気持ちを言葉に出しては行けないという考え
- 自分の自然な気持ちは語る価値が無いという認知
- 感情(とくに深い情動)の抑圧
- 自尊心の低下 自己否定感の醸成
- アレキシサイミア(感情への気付きの欠如、感情を伝える能力の低下)→過剰適応、過活動
- 慢性痛のスリーヒット仮説
- 1st hit 学童期・思春期のいじめだどの対人交流の問題
- 2nd hit 成年後の家庭や職場でのストレス
- 3rd hit 身体的負荷により発症した急性痛が起こり、急性痛から慢性痛への移行と難治化がおこっている
- 4th hit 医療不信