庄子雅保 内受容感覚の概要と研究 身の医療 2017;3:13-17
- 身体反応や身体感覚、特に身体内部の感覚は内受容感覚と呼ばれる
- 内受容感覚はイギリスのシェリントンによって生み出された言葉 3つの感覚
- 外受容感覚 触覚、聴覚、視覚などを介して外部環境を捉える
- 内受容感覚 呼吸、痛み、体温、心拍、胃腸の動きなどの生理的な状態に関する感覚や内臓感覚
- 固有感覚
- 内受容感覚の測定方法
- 1 interoceptive accuracy
- 内蔵など身体内部の客観的状況を、感覚を通して、どの程度正確に把握できているか
- 心拍検出課題、胃の中で風船を膨らませることによる内受容感覚測定、呼吸負荷による内受容感覚測定、下行結腸内にバルーンを挿入し、バルーンの圧力を変化させることによる内受容感覚測定、飲水負荷課題
- 2 interoceptive sensibility
- 身体内部に意識を向けたときにどのように理解するか 主に質問紙
- Somatosensory amplification scale (Barsky), The multidimensional assessment of interoceptive awareness (MAIA)
- 3 interoceptive awareness
- 内受容感覚の正確さの認識に関するメタ認知を測定
- 内受容感覚の研究
- 心身医学分野では、失感情症が心身症に共通した性格特性として知られているが、池見はさらに一歩踏み込んで心身症患者の感情への気付きだけでなく、身体への気づきも乏しいという臨床知見から失体感症の概念を提唱している
- 失感情症特性の高い者は、自分自身の感情を感じにくいことはもちろんのこと、身体感覚を感じ取りにくいことが示唆さた
- AN(anorexia nervosa)患者では空腹感や満腹感がよくわからないことが考えられ、身体感覚全般の気付きが鈍いことが考えられ、内受容感覚の低下が起きていることが想定された
- AN患者はコントロール群と比較して内受容感覚が低下していたが、標準的認知行動療法を行った後では内受容感覚が回復したと報告している