2013-01-01から1年間の記事一覧

歩行活動と生活活動を含めた総身体活動量と運動器疼痛との関連につい

齊藤貴文、崎田正博、森山善彦、西内久人、古賀祟正、熊谷秋三 歩行活動と生活活動を含めた総身体活動量と運動器疼痛との関連についてー地域在住高齢者を対象として 日本運動器疼痛学会誌 2013;5:20-27 身体活動計(オムロン活動量計:Active Style Pro HJA 3…

松平浩、菊地徳昌、川口美佳、犬塚恭子、有坂真由美、原慶宏、磯村達也 日本語版 STarT(subgroup for Targeted Treatment) Back スクリーニングツールの開発 言語性妥当性を担保した翻訳版の作成 日本運動器疼痛学会誌 2013;5:11-19

非特異的(非特異的腰痛)たる所以として、画像検査が基本的に痛みの原因を語らず予後予測になりにくいことが挙げられる。 一方、腰痛の慢性・難治化に強く影響する危険因子の多くが心理社会的要因であることが明らかになり、病因の正確な把握は難しいものの…

丸田俊彦 慢性疼痛患者へのアプローチ:"pain behavior"をめぐって 日本運動器疼痛学会誌 2013;5(1):3-6

強いて言えば、「いかにあがこうとも、器質性と心因性の区別は出来ない」というのが答えである 普段は結構聞く耳を持つ人でも、いったん白衣を着ると、何か「客観性」をまとった様な錯覚に陥り、自分の見方・意見が正しい様な錯覚に陥り易い。また、患者は、…

慢性疼痛の認知行動療法

吉野敦雄、岡本泰昌、堀越勝、神人蘭、林優美、松永美希、山脇成人 慢性疼痛の認知行動療法 認知療法研究 2012;5(2):147-155 慢性疼痛患者は周りから理解されず、孤立することが多いため、同じ状況に置かれている他のメンバーに状況や気持ちを伝えることによ…

行動療法・認知行動療法・マインドフルネス

有村達之 行動療法・認知行動療法・マインドフルネス 日本醫亊新報 2011;4534:83-84 マインドフルネスとは「今の瞬間にしていること、感じていること、そこに存在していることに、価値判断をしないで意図的に注意を向ける」という精神状態を指す マインドフ…

松原貴子 痛みに対する包括的アプローチ OTジャーナル 2013;4(1):17-21

痛みには、「感覚」、「情動」、「認知」の3側面がある 症状を有する患者の情動や認知、患者を取り巻く社会的情勢までも”一人の個(whole body)”として包括的に捉えアプローチしようとする「生物心理社会的モデル(biopsychosocial model)」を重視しようとす…

住谷昌彦、宮内哲 痛みのメカニズム 痛覚と痛み認知 OTジャーナル 2013;4(1):10-15

疼痛ー生理的疼痛、病的疼痛 侵害受容器 高閾値機械的侵害受容器(Aδ線維、有髄、30m/sec以下、鋭い一次痛)、ポリモーダル受容器(C線維、無髄、2m/sec以下、局在の不明瞭な遅発性の灼けつくような二次痛) 脊髄後根神経節 脊髄後角 後角灰白質(I~X層)、侵害受…

痛みとプラセボ効果

赤居正美 痛みとプラセボ効果 Practice of pain management 2013;4(1):40-42 治療効果に影響する心理的因子として、期待感、報酬、動機付け、条件反射、学習、記憶、不安軽減などが挙げられる プラセボ効果の本質としての期待感は、医療の重要な要素である W…

慢性疼痛におけるニューロイメージングの実際

池本竜則 慢性疼痛におけるニューロイメージングの実際 Locomotive Pain Frontier 2013;2(1):14-19 Traceyらの総説 後部島皮質領域をprimary nociceptive cortex(第一次侵害受容野)と記している。したがってこの領域に関しては、痛みの感じ方の個人差はなく…

運動器疼痛におけるニューロイメージングの進歩

運動器疼痛におけるニューロイメージングの進歩 Locomotive Pain Frontier 2013;2(1):5-12 倉田 「痛みを可視化する」という言葉を最近んよく目や耳にしますが、私は非常にオーバーな表現であると思っていて、基本的に「痛みは見えない」というスタンスで望…

肩こり、腰痛は心が生み出す

平木英人 肩こり、腰痛は心が生み出す 文藝春秋 2013;91(6):321-322 ノースウエスタン大学の実験ですが、慢性疼痛患者に痛み刺激を与えたところ、通常の痛みで活性化するはずの脳の部位(視床)ではなく、前頭葉のストレスや不安を司る部位が活性化していた…

ホントの腰痛対策を知ってみませんか作者: 松平浩,三好光太,笠原諭,小西宏昭出版社/メーカー: 労災保険情報センター発売日: 2013/03/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る4/21時点でlinkがうまく表示されません。

慢性腰痛患者を対象としたトリガーポイント療法と圧痛点治療の比較対

廣田里子、伊藤和憲、勝見泰和 慢性腰痛患者を対象としたトリガーポイント療法と圧痛点治療の比較対照試験 全日本鍼灸学会雑誌 2006;56(1):68-75 腰部と股関節の可動域測定によって罹患筋の同定を行った結果から腸腰筋、腰方形筋、中殿筋、大殿筋、脊柱起立…

慢性疼痛疾患における前頭前野の機能低下とリハビリテーション介入の

大住倫弘、森岡周 慢性疼痛疾患における前頭前野の機能低下とリハビリテーション介入の可能性 pain rehabilitation 2012;2(1):23-28 DLPFC 背外側前頭前野 DLPFCは注意・ワーキングメモリ・プランニング・概念などに関わる部位であると共に、下行性抑制系を…

頭痛を訴える患者とのコミュニケーション

中安浩介、中村明澄、前野哲治 頭痛を訴える患者とのコミュニケーション レジデントノート 2009;11(5):696-702 somatizationとは、「身体に(器質的な)原因がないのに身体症状がでること、基質疾患があった場合でも、病理学的な変化と比べて不釣合いな激し…

西原真理 精神医学からみた慢性の痛み Brain and Nerve 2012;64(11):1323-1329

痛みの中枢が存在するかどうかという重要な問題についても、その解答はまだ明らかな形では得られていない。(pain matrixの考え方も最近変化を遂げつつある) 急性の痛みから慢性に至る心理モデル Gatchelらの3段階のステップ 第一段階 痛みに対する不安や心配…

運動器慢性痛の病態と学際的治療

井上真輔、牛田享宏、井上雅之 運動器慢性痛の病態と学際的治療 Brain and Nerve 2012;64(11):1287-1297 運動器慢性痛とQOL QOLと抑うつに最も影響を与えた痛みの診断名は、脳卒中後の痛み、脊椎手術後の痛み、人工関節手術後の痛みであり、術後疼痛が人々の…

痛みの問診のポイント

野口和敬、生坂正臣 痛みの問診のポイント Brain and Nerve 2012;64(11):1273-1277 痛みの種類 侵害受容性疼痛 内臓痛 内臓痛は、血圧低下、頻脈、発汗、顔面蒼白、悪心・嘔吐などの自律神経症状を伴うことも多く、体性領域に関与して皮膚の知覚過敏帯を伴う…

神経障害性疼痛の中枢性機序

平野茂樹 神経障害性疼痛の中枢性機序 Brain and Nerve 2012;64(11):1267-1272 pain matrixは機能的に主に4種類に分類することができる。(1) 感覚認識:一次体性感覚野、視床、島皮質、(2) 注意:前部帯状回、前頭前野、(3) 下行性疼痛調節:中脳水道灰白質…

生理学的痛みの末梢機構

國本雅也 生理学的痛みの末梢機構 Brain and Nerve 2012;64(110:1205-1214 IASP痛みの定義の注釈 痛みはいつも主観的である。各個人は、障害の早い時期の損傷に関連した経験を通じて、この言葉をどんなふうに使うかを学習している。生物学者は、痛みを惹起す…

細井昌子 慢性疼痛 過活動のスクリーンセイバー仮説 心身医 2013;53(3):263-268

心療内科および心身医学を標榜する医師にとって、慢性疼痛治療に苦手意識を実感する理由 慢性疼痛患者は心理的葛藤が意識化されず身体症状に固執しており、「痛みさえなくなれば大丈夫なはずだ」という認識があり、心理療法の導入が困難である かなりの過活…

Magnetic resonance imaging in follow-up assessment of sciatica

Barzouhi AE, Vleggeert-Lankamp LAM, Nijeholt GJL et al Magnetic resonance imaging in follow-up assessment of sciatica New Engl J Med 2013;368(11):999-1007 We report on the radiologic findings (MRI in patients with known lumbar disk herniat…

原因がよくわからない慢性の痛みには、どう対処すればよいですか

釋文雄 原因がよくわからない慢性の痛みには、どう対処すればよいですか レジデントノート 2012;14(13):2490-2495 疼痛を持続させる「痛みへのとらわれ」 痛みが生じると痛みの「症状へのとらわれ」と「原因へのとらわれ」ができる 患者の原因へのとらわれへ…

痛みの鑑別 内臓疾患?筋骨格系疾患?

岸本暢将 痛みの鑑別 内臓疾患?筋骨格系疾患? レジデントノート 2012;14(13):2445-2449 ベイツ診察法に疼痛(pain)が5番目のバイタルサインと記載があります。 体性痛は限局した鋭い痛みで、痛い部分を尋ねるとはっきりとその部位を指せる痛みです。代表的…

細井昌子、安野広三、柴田舞欧 慢性痛の心身学的メカニズムの解明とそのアプローチ 過活動のスクリーンセイバー仮説を一助として 2 ペインクリニック 2012;33(12):1691-1701

近年、興味を持たれるようになって内受容(interoception)に関する脳内ネットワークが、pain-emotion-rewardと関連したネットワークをシェアしているという知見も加わって、失感情症が「内受容の異常」を伴うという観点で考えると、現代脳科学と疼痛行動とい…

細井昌子、安野広三、柴田舞欧 慢性痛の心身学的メカニズムの解明とそのアプローチ 過活動のスクリーンセイバー仮説を一助として 1 ペインクリニック 2012;33(12):1691-1701

いつもながら感服させられる論文です。内容が濃すぎて短くまとめられず。 不安が強い症例では、機能的痛みでもかなりの痛み苦悩が伴うこともある 機能的痛みであっても器質的異常に伴う痛みと同程度の苦しい痛みが起こることがあることを、患者の理解力に合…

本田哲三、本田玖美子、高橋理夏、中村幸男、大房幸浩 慢性痛のリハビリテーション ペインクリニック 2012;33(12):1683-1690

多相モデル 侵害刺激レベル 末梢器官障害のシグナル 疼痛感覚レベル 様々な神経障害性痛 苦悩、および疼痛行動 前頭前野・小脳皮質レベル 最近では線維筋痛症、慢性腰痛から過敏性腸症候群にいたる慢性痛全体を、脳機能異常(神経過程変調モデル)と理解し、…

慢性痛の包括的アプローチ ペインクリニック

飯田宏樹 慢性痛の包括的アプローチ ペインクリニック 2012;33(12):1653-1663 慢性痛 急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛み 時間で区別 急性と慢性を分ける代表的なポイントは3ヶ月と6ヶ月 交感神経の関与する痛…

笠原諭 慢性疼痛における心理社会的要因と脳dysfunctionへのアプローチ2013;34(1):37-46

神経症は、心因と性格要因の相互作用によって生じるものと言い換えることができる。したがって、慢性疼痛患者には、心因性疼痛など「神経症」に該当するものが多く見られるが、その精神面での評価では「心因」と「性格要因(人格)」の双方を評価する必要が…

赤羽秀徳、松平浩、岸川洋一 非特異的な範疇の腰痛における運動器(脊椎)dysfunctionの解釈とアプローチ法 2013;34(1):25-35

現状の画像検査における形態学的異常の有無では痛みの原因を説明しきれない。言い換えればクリアに視覚的に捉えきれない運動器疼痛に関し、姿勢や動作との関連性が明確で一貫性があるものを運動器dysfunction(機能的な不具合)と定義することを、われわれは、…