p55 熊澤孝朗、山口佳子 痛みの学際的アプローチへの提言

  • 長期間持続的に痛覚系が働いた場合に痛覚系が変容を来たし、痛みの原因であった病巣が治癒した後にも痛みを発し続けることがある
  • 国際疼痛学会の痛みの定義
    • 不快な感覚性、情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷があるように表現されるものがある
  • 慢性疼痛をつくらないためには、体のどこかに痛んでいることを知らせる警告信号としての痛みをその役割を終えた後速やかに取り除くことが重要である
  • 痛覚受容器からの入力を泊めるブロック法やモルヒネなどによる鎮痛効果は、当然ながら慢性疼痛においては期待できない
  • Dr. John Bonica  1917-1994
    • 1960 Seattle Washington Univ 10 bed 5 Nurseで開設
  • 治療プログラムの効果
    • 痛みは完全になくなる訳ではないが、無駄な薬剤の摂取やドクターショッピングにも終止符が打たれ、痛みとともに行きていく術を身につけ、生きていく自信が得られ、QOLが格段にあがる
  • 治療のゴール
    • 機能を最適レベルに回復させる
    • 痛みを減少または除去する
    • 習慣的な服薬を減少または除去する
    • 医療機関に頼らず生活できるようにする
    • QOLを改善する
  • アメリカのある学際的痛みセンターでは2週間の外来治療プログラムの費用は250万円程度である