- 痛みには、組織障害の症状としての痛み以外に、組織の損傷が治癒した後にも神経系の可塑性によって生まれる痛み、つまり慢性痛症の存在が明らかになったことがそれまでの痛み概念に変革を起こした。
- 慢性痛症 痛み系にうまれた可塑性な歪みによって生じた新しい病気、決定的な鎮痛剤はない
- 警告信号としての役目を終えた痛みはできる限り速やかに鎮痛しよう
- ピッツバーグのリハプログラム 患者はいたみと共存するための日々の心構えと対処法、またADLの質を上げる具体的な方法を学び実践していくことにより慢性的な痛みを克服している
- 医師を含めたすべての医療者の中で筋肉について最も知悉(ちしつ)しているのは理学療法士のようである
村上孝徳、山下敏彦 慢性腰痛へのアプローチ MB Orthop 2007;20(2):9-16
五十嵐環、佐藤勝彦 慢性腰痛に対するリエゾン精神医学アプローチ MB Orthop 2007;20(2):17-21
川上俊文 慢性腰痛の生活指導 MB Orthop 2007;20(2):31-38
- 筆者は慢性腰痛の本質は悪循環と理解している
- 治療方針 安静はあまり意味がない、脊柱の支持性の獲得、同一姿勢を長くとらせない
- 脊椎の回旋運動は脊柱支持組織が弱い間は危険である
- 「慢性の腰痛から解放されるためには、あなた自身が生活管理をしなくてはなりません。最低3、4ヶ月かかると思って下さい。そして最初はゆっくり物足りないと思われるところからはじめます。徐々に程度を上げていくので、これくらいはできる、簡単だと思って、勝手に辞めないで下さい。一つできれば、次の段階があります。あた、痛みが強くなったり、あらたな痛みがでることもあります。しかし、これであきらめないで下さい。そして必ずそのことは教えて下さい。一緒に考えていきましょう。忍耐も必要ですよ。