吉本隆彦、熊澤孝朗 生理的な痛覚系 痛みの病態生理第4回 理学療法 2008;25(3):580-587
- 痛みは触覚が強くなったものでなく、一つの感覚
- 特徴
- 特定の種類の刺激に対して感度が良いということはない
- 痛覚には順応がおこらない 順応しないどころかpositive feedbackがおこることあり
- 痛み刺激がくわわると、その刺激から遠ざかる逃避反射、筋緊張の亢進、血圧や心拍の上昇といった自律神経系を介した反応、または不快感、不安感のような情動系の変化等、さまざま身体反応が誘発される
- 体内には鎮痛抑制系がある
- 2つのいたみ
- 脊髄後角
- 後角にある4つのニューロン群
- 2つの痛み伝達系
- 過剰な痛み入力
- 痛覚増強
- 痛覚受容器自体の感受性が過度に高まる 一次性痛覚増強 末梢性感作
- 感覚伝達が促進されること 二次性痛覚増強 中枢性感作
- 2種類の生理的な痛みがあること、痛みは感覚性側面だけでなく、情動的側面があること、体内には鎮痛性機構が備わっていることなどを理解することは、痛みへのアプローチに欠かせない
- 痛み患者に直面した際、末梢の現象と捉えるのではなく、中枢を含めた全身現象として捉えることの重要性が、生理的な痛覚系から学ぶことができる