2008-05-11 熊澤孝朗 痛みの意味 理学療法 2006;23(1):7-12 熊澤孝朗 痛み研究の歴史 ギリシャ医学 アリストテレス 痛みは心臓に宿る嫌な情動である ピタゴラス 脳が痛みを近くする 17世紀のデカルトにより復活 18,19世紀 鎮痛法として電気磁気刺激法、モルヒネ、アスピリン、局麻 19世紀末 von Frey フォンフライ毛で皮膚を刺激し、痛点を発見 Goldsheider どんな感覚受容器でも刺激を強くすれば痛みを生じる、痛みの強度説、痛み非特異説 1960年代末 Perl 痛覚受容器およびその情報を伝える中枢経路に関する研究 1965 Gate control theory 1970年代半ば 痛覚の促進系と抑制系 生体の防御系と警告信号系 発生初期から原始的な免疫、炎症系 次いで警告信号系 渦巻き反射 先住の防御系である炎症免疫系で用いられた液性シグナリングの手段が豊富にとりこまれる 生理的な痛みと病気としての痛み ちかっとする一時痛と、ズーンとする二次痛 一次痛 いつどこが刺激されたか識別できる信号として広閾値機械受容器の様な特異的痛覚受容器の興奮に始まり、視床を経て大脳皮質の感覚野に至って知覚される 一次痛は識別感覚として大脳皮質の発生に伴って体性感覚領野に直行する系 二次痛 時間的にも空間的にも識別性が低い 全身にひろく分類するポリモーダル受容器 機械的、化学的、熱のいずれにも反応 原始感覚として脳幹部の発達に伴い下位部から順次に上行して皮質に達する 脳幹部にはからだの基本機能である自律系、運動姿勢制御系などの調節系や脳内鎮痛系があり、また情動系である扁桃体におよぶ連絡がある 警告信号としての役割を終えた痛みにはできる限り速やかな鎮痛が望まれる 慢性痛症 痛み系に起きた可塑的変化によっておこる痛み 痛み系には先住の防御系である炎症免疫系で用いられた液性シグナリングのサイトカインが可塑性変化をおこすトリガーとして注目 可塑性変化 中秋神経系、不動による運動系、学習記憶