- 作者: 平木英人
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/01/01
- メディア: 新書
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予約していたamazonから到着。早速読んだ。
- 心療内科医の仕事は、「それ(心理状態)とこれ(自分の症状)とは同じものなのだ」と自覚させることともいえます。
- 体に原因がなくても痛みはおこるのです。
- 生き方から激痛はおこる
- 慢性疼痛の患者さんには、身体的な異常はありません。体の状態は痛みのない方と同じです。同じなのですが、考え方、人生の捉え方が違います。そこに症状をおこすメカニズムが隠れています。
- 森田療法
- 患者さんを痛みに対するこだわりから解放する試みを始めた
- 本人もはっきりとは気づいていないなんらかの、痛みを生じるにいたった「物語」が多々潜んでる
- 絶食療法
- 痛みから逃げようとすると余計に痛い
- ケロケツ 繋驢橛 禅の言葉
- 杭に繋がれた驢馬は、自由になりたいとバタバタすればするほど首のヒモがどんどん杭に巻き付いて短くなります。バタバタすればするほど自分の首を絞める、それが 繋驢橛
- 慢性疼痛患者の共通心理
- 『自分こそが世界で一番苦しんでいる」「この痛みはいつ治るのだろうか」「何かいい方法はないだろうか」「このまま本当に治るのだろうか」という不安と疑念
- 毎朝起きるたびに、「今日の腰の具合はどうかな?」と腰に意識を集めて点検します。病状に固執すればするほど、局所の神経は過敏になりますから、わずかな症状や痛みもキャッチしがちになります。その結果として、「ああ、今日もまた痛い」と感じ、また、痛みにとらわれるという悪循環に陥る
- 痛みゼロを求めれば求めるほど、「まだ治らない」「まだ残っている」「まだまだ...」という思いは強くなります。無間地獄に入ってしまうのです。
- 痛みとの共存は、言うは易く行うは難しで、本当に体得するのは難しことです。しかし、体得した患者さんは、こちらが感動するようなひとことを残してくれることがしばしばあります。
- 「痛いのは仕方がない、そのまま受け入れていこう。痛いままに活動的でいようと想えたことが効果的だった」ともいうのです。
- 「以前は「こんなに痛いのにどうしてわかってくれないのか!」と周りの気を引くことに汲々としていたけれど、いまは同情を引こうとは思わなくなりました。痛いながらに仕事も趣味もできていることに喜びを感じています。」
- 分かっていながら、誰かに、どうしてもいわずにはいられない。ただ聞いて欲しいというのが、悩みを訴える人の本心なのです。
- 分かってもらえないいらだちが痛みを増幅させる
- 患者さんの痛みを理解し、共感すること。つまり、無条件に受け入れてやることです。
- 「辛いだろうが、希望をもっていこうね」と励ます
- 理屈なしの受容というのは、慢性疼痛に限らず、心理療法の基本であり、重要なポイントです。説得や説明、指導などというのはその後の話しです。
- ドクターショッピングの意識の底ー潜在意識には、「この激しい痛みは何か身体の病気があるに違いない。病変さえ見つかれば、それを医者が取り除いてくれれば、痛みから解放されるはずだ。いままでの医者はそれを見つけられなかっただけだ。もう一度、別のところで診てもらおう」そういう気持ちがあるのではないでしょうか
- 「その痛みは身体面の問題ではなく、あなたの心の問題が関係しているそうですよ」といわれることを拒否しているのです。
- 拒否の理由は、いままで述べたような、精神・心理的な疾患に対する抵抗感。さらには夏樹静子さんがこだわったように「心の病でこんな痛みがおこるはずがない」という心因性疾患への無理解
- さらに深いところには、自分自身のこれまでの生き方、考え方、心の持ち方を否定されることへの困惑や嫌悪感があるのです