花岡啓子 痛みをやめられない患者への対応 Modern Physician 2011;31(8):983-986
- 薬物乱用頭痛の患者は、早めに鎮痛薬を服用しないと薬が効かないという経験のため、痛みそのものより痛みに対する不安から連日鎮痛薬を服用しており、その対処行動の理解と行動変容への援助のためには心理社会的背景や行動科学的視点が必要になる
- 離脱法導入のためのアプローチ
- 第一段階 問題の所在(薬物の過量摂取)気づく
- 第二段階 問題の重要性を実感する
- 「いつでも薬で痛みを抑えていると、脳のなかで痛みを抑える働きが弱ってしまう」
- 患者のなかの、”問題に取り組む力”を引き出す機会が見いだせるであろう
- 第三段階 離脱療法の実行
- これらの段階を踏んでも難しい場合には、背景に鬱状態やつよい不安、深刻な人生脚本、実存的な問題、パーソナリティの問題などがあるケースも多い
- 症例
- 現状を過小評価しており、頭痛の犠牲者として生きているようにみえた
- 鎮痛剤からの離脱は、犠牲者から成功者へ人生脚本変化をもたらした