- 慢性疼痛は痛みを感じる末梢の受容器レベルや疼痛の伝達レベルや大脳での認知レベルなどあらゆるレベルでの異常からその疼痛が発生していると考えられるが、現時点で治療に関してわれわれがもっとも利用しているのはいわゆる下行性抑制系である。
- 関節炎の痛みの原因
- 組織損傷、神経障害、精神的なストレス
- 関節炎患者の痛みを増幅させる因子
- 末梢性感作 痛みの閾値が下がり、痛みを感じやすくなる
- 中枢性感作 末梢での組織損傷や炎症の程度が激しくかつ長くつづくと、それが伝達される中枢に機能的な変化が生じ、正常な伝達が中枢で誤って解釈されいたみとして感じられるようになる
- 筋骨格系の神経支配はAβファイバーが優位 これによって伝達される刺激はいたくない刺激
- Aδファイバー,Cファイバーは関節包、靭帯、半月板、骨膜などに多く分布し、これらによる伝達では侵害刺激が伝えられる
- 関節炎ではsleeping nociceptorが活動し始め、Aδファイバー,Cファイバーを介していたみが伝わる
- ノイロトロピン セロトニンの3番目のレセプターのアゴニストとしての効果が注目されている
- 線維筋痛症の痛みの本態ははっきりしていないが、中枢性感作が原因のひとつではないかとかんがえられている
- 慢性疼痛、線維筋痛症の外来をおこなっていると患者さんのもつバックグラウンドに深い苦悩が隠されていることに驚かされる
- 下行抑制系が痛みの調節機能あり 治療の際には下行性抑制系に作用するセロトニン、ノルアドレナリン、NMDAなどの作用を熟知する必要がある
- 臨床家として、著者が心がけているのは患者さんの痛みをとるのは、決して薬でなく、患者さんの心と患者を思いやる医療者の心であるという気持ちであるということである
p133 村上正人 線維筋痛症に代表される慢性疼痛をめぐって