慢性疼痛とうつ

石田康 慢性疼痛とうつ DEPRESSION JOURNAL 2019;7(3):16-17

  • 欧州の調査 17.1%が慢性疼痛を融資、4%が大うつ病性障害と診断され、そのうち43.4%が慢性疼痛を有していた
  • Temperament and Character inventory(TCI)を用いた調査
    • 慢性疼痛を伴ううつ病患者の気質・性格傾向
    • 慢性疼痛を伴わないうつ病患者と同様に「損害回避」尺度が高く(悲観的、心配性)、「自己志向」尺度が低い(他者を非難しやすく、受動的で目的が少ない)傾向が認められた
  • 痛みに関連した脳部位とされる扁桃体や島における痛み刺激誘発性の活動性の亢進と、うつ病の有無が関連していると報告されている
  • 治療者が注意すべきは、患者を養護しすぎることが疾病利得につながり、その結果、疼痛行動を助長しかねないことである
  • 慢性疼痛にうつが併存した患者においても、他の精神疾患同様、多剤併用の弊害を起こしやすい。前述した運動療法やその他の非薬物療法を活用しつつ、適切な治療目標(痛みをなくすことではなく、生活の質や日常生活動作を向上させること)を患者ー治療者間で共有することが大切だと考える