松山賢一、長谷川典子、川又敏男、前田潔 高齢者の身体表現性障害 老年精神医学雑誌 2011;22(8):935-940
- Kroenkeらは身体化の治療戦略として以下のような項目を挙げている
- 1 診察は定期的に行う:救急受診や電話対応を減らすため
- 2 すでに身体的評価の終わっている症状について再検査や対診をしない
- 3 新たな症状を生じたときは、その症状に焦点をあてる
- 4 訴えに共感を示す
- 5 症状を完全にとることよりも症状とうまく付き合っていくことを目指す
- 6 機能の回復。リハビリテーションに努める
- 7 他科への照会はたらい回しではなくコンサルテーションのためであることを強調する
- 運動療法はその運動量の多寡にかかわらず身体化に有効である
- 高齢者への心理療法的アプローチが必要なケースは多いが、奏功し、症状が軽減することはそれほど多くはない。高齢者の場合、長い人生経験を積んで獲得した人生観、価値観があり、若い人ほど柔軟に考え方を変えることは難しい