水村和枝 運動後筋痛(遅発性筋痛)の発生・維持機構 整スポ会誌 2009;29:281

  • 遅発性筋痛の発生機構については、乳酸説、筋スパスム説、結合組織説、筋損傷説、炎症説、酵素流出説、活性酸素などによる障害説などの仮説が唱えられてきており、現在広く流布しているのは、筋損傷―炎症説である。
  • 遅発性筋痛では痛覚過敏になっていることを示した 
    • 痛覚過敏になった筋に損傷像や炎症像はほとんどみられなかった Taguchi et al. J Physiol.2005
    • 熱や発痛物質に対する反応性に対照群と差はなかったが、機械刺激に対する反応性が有意に増強していた Taguchi et al J Neurophysiol 2005
  • 何が細径線維受容器の機械感受性をたかめているのか
    • カプサイシン受容体などのTRPVチャンネルの拮抗薬、ASICチャンネルの拮抗薬の筋注により、伸張性収縮2日目に生じている筋機械痛覚過敏は減弱した Fujii et al Pain 2008 これらのチャンネルが機械感受性亢進にかかわっていると考えられる