水村和枝、佐藤純 交感神経活動と痛み −神経損傷モデルの教えたもの 末梢神経 2004;15:1-9

  • 神経損傷モデルとその疼痛に対する交感神経関与の大小
    • 坐骨神経絞扼モデル(CCIモデル) 1988 Bennett
    • 坐骨神経部分切断モデル 1990 Seltzer
    • 脊髄神経結紮モデル 1992 Chung
  • 神経損傷モデルにおける交感神経活動と感覚神経の関わり方
    • 神経損傷後の交感神経依存性の痛みにはA線維受容器の活動が重要であると考えられている
    • 感覚神経と交感神経の関わり方について
      • エファプス
      • 後根神経節細胞周囲への交感神経のsprouting
      • 心神経のノルアドレナリン感受性増大
      • マクロファージを介した交感神経と感覚神経の間接的な相互作用
  • 系統差
  • 炎症の関与
  • 気象変化による神経損傷後疼痛の増悪機構
    • 低気圧暴露、低温暴露でCCIラットの自発疼痛様行動の増大、機械疼痛域値の低下がみられた
    • 低気圧暴露による疼痛増悪には絶対的な圧レベルではなく、変化が重要
    • 低気圧暴露による疼痛増悪には交感神経興奮が関与していると推定される
    • 気圧と低下をどこで検出しているか 内耳破壊を行うと、低気圧暴露による疼痛増悪は消失した
    • 気象変化による疼痛増悪を防ぐには、気圧や気温の変化が予想される時には気圧・気温が変化しにくい部屋で生活する、というのも一方法であるがこれでは行動範囲が制限される。気象変化による疼痛増悪の神経・内分泌回路の解明により、別の方法(あらたな薬物など)の可能性を見つけ出すことができることを願っている。