理学療法 痛みの病態生理学9

大須賀友晃、牛田享宏 臨床痛の要因分析:腰背部痛の病態生理 理学療法 2008;25(8):1214-1219

  • 腰痛の発生部位となることの多い下部腰椎前方要素の神経支配についてみると、第2腰神経を中心として行われているとされる
  • 椎間関節関節包には位置覚受容器と侵害受容体が分布しており、関節周辺尾筋腱組織には主に位置覚受容体が分布している。また、これらの機械刺激受容体は脊椎周囲組織の炎症性発痛物質によって反応することがわかっている。
  • 筋では鈍い痛みが多く、局在がはっきりしない
  • 腰椎(椎間板性疼痛、椎間関節性疼痛、筋痛自体など)を原因とした障害信号が脊髄後角に伝播された結果、インターニューロンを介して、γニューロンが刺激され、筋紡錘の興奮性が上がりる。続発性にαモータニューロンの持続性的興奮と筋収縮がおこるため筋の硬結等が生じたり、局所の血行が不良になることで結果として筋内ポリモーダル受容器などが二次的に刺激されて持続性の筋肉痛がおこり、このことが筋性腰痛の機序の一つであることが考えられている。