疼痛に対するリエゾンサービス

木村元紀、小林未果、松島英介 疼痛に対するリエゾンサービス 臨床精神医学 2017;46(19)43-47

  • 疼痛性障害
    • 身体に異常があるということにとらわれるために、身体科をはじめに受診し、疼痛の原因検索を求める。しかし、検査ではほとんど異常がみつからず、対症療法として処方される薬剤も多くの症例で効果がないく、対応に困った結果として精神科に紹介されることも多い
    • このような経過により、治療のはじまりにおいては精神科の医師に対する不信感を患者が抱くことも多い、疼痛性障害の患者は、疼痛の原因を心因と認めることが困難で、身体因にとらわれるために、精神科医が精神療法的な介入を試行錯誤しても、患者から治療の終結を求められることもある
  • 患者は治療者が思っているよりも、痛みをはるかに苦痛を感じており、それを理解した上でなければ、治療関係を気づいていくことは困難である
  • 積極的傾聴という言葉もよく使われるが、まずは患者の訴えをよく聞くことが第一である。聞く時間ではなく、聞き手の態度など質が大切である
  • 検査結果の異常や明らかな身体疾患がなくても、患者が訴える痛みは存在していることを保証し、コンサルテーションを受けた精神科医が必要と考えたら、主科の医師と相談し、適宜検査をしたり、たかにさらに依頼することもけんとうする。
  • そして、疼痛性障害と診断したら、患者に病名を伝え、身体的にはこれ以上の検査や治療は必要でないことも説明する。
  • 患者が体験している痛みと診断との解離に、患者は戸惑いや時には怒りを感じることがあるが、そのような訴えもさらに傾聴していく。
  • 一方で、治療の枠組みも意識していくことが必要である。入院中であれが、病棟のスタッフを通して頻回の診察を求めることもよくあることであるが、治療者が振り回されて陰性感情をおこすことを防ぐ目的だけでなく、患者自身が自身の痛みと向き合い、感情をコントロールしていくにも必要な対応である

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