- 第十四章 アクティブセルフケア:脊椎原性疼痛患者のために機能再活性化
- 現代の腰痛文化における強力な神話の一つに、痛みは構造的な病変のせいであるというものがある。
- ほとんどの患者は、間違ったことをしたり身体を動かしすぎたりすることを過剰に心配している。しかし、動きが少なすぎるのも多すぎるのと同じくらい有害である。腰に将来問題がおこるかどうかの予測因子として最適であることがあきらかになっているもののひとつが、背部の筋の持久力低下である。
- 痛みが続く原因としてもっとも一般的なのは、外部負荷が身体的な許容量すなわち耐性を繰り返しこえることである。これは普通、ディコンディショニングすなわち体力の欠如によっておこるのであって、決して障害や構造的病変いよっておこるのではない。
- 痛みを大惨事と考えて活動を避ける人がいる一方で、積極的な気分の人々は痛みを無視して過度の努力をすることがある。
- Cochrane共同計画の床上安静についての論評
- LBPにはなにも好ましい効果をもたらさない
- やや有害な影響があるかもしれない
- LBPまたは坐骨神経痛においては、7日間安静にしていても、2−3日の安静と比較してもなんの改善もみられない
- アドバイス
- Jansenらによれば、慢性痛の患者がどれくらいよくなるかは、彼らに対してなされたことよりも、彼らがなしたことに、より左右される。
- 慢性患者には、自分の脊椎に損傷のないことがなかなか理解出来ない。そのことに対する極めて単純な説明の一例が、患者には中枢性感作があるからというものである。
- Janet Travell 「組織は治癒するが筋は学習する。筋は痛みの源がなくなった後も持続する防護習慣を発達させやすい」
- コンプライアンスを高める秘訣
- 痛むことと害があることは必ずしも同じではないという教育
- 良好な体調が予防の鍵であるという教育
- 大した用具がなくても家庭でできるように、エクササイズは単純なものにする
- エクササイズと具体的な機能上の欠陥や目標とをむすびつける
- 自分にとって「いくらかきつめ」のレベルでエクササイズを行うように患者を励ます
- 「再発」はありえないことではないし、失敗を示唆するものでもないような、現実的な予想を立てる。
- 第十五章 McKenzie脊椎リハビリテーション
- 第十六章 姿勢矯正のためのBrugger法
- 第十七章 呼吸パターン障害のリハビリテーション
- 第十八章 軟部組織マニュピュレーション
- 第十九章 徒手抵抗テクニック
- 第二十章 神経もビリゼーションテクニック
- 第二十一章 主要関節に対するマニュピューレーションテクニック