- 第五章 腰椎の安定性:損傷のメカニズムと再安定化
- 第六章 腰背部痛の発生源
- トリガーポイントが明白な病理学的変化であるというエビデンスはない。臨床的には、腰椎のトリガーポイントの診断は信頼性が低いと示されている
- 脊椎症や変形性関節症は、単なる加齢による変化である。これらの発生は年齢とともに増え、痛みのない群に比べて腰背部痛患者群で有意に多くみられることはない。患者の痛みを「すでに存在していた変性による変化」のせいにする、とんでもないことが習慣になっている。得られる疫学データに反してそのような行動をとるのは医学という科学にとっては異端である。
- 脊椎すべり症が発見されても、自動的にそれが痛みの原因であるということにはならない。
- プライマリケアにおける急性腰痛患者について、痛みの発生源として妥当なものが何か明らかにする信頼性の高い方法を用いて行われた研究は全くない。
- 従来、腰背部痛の原因と発生源について言われてきたことは、良くても概念的妥当性、最悪の場合は風聞に基づいていた。