- 第七章 脊椎原性疼痛患者の診断トリアージ
- 脊椎原性疼痛患者に関する診断アルゴリズムは、まずは重大な病変がないことを確認することに焦点が当てられる
- レッドフラッグは、脊椎原性の疼痛が悪性の病変に由来している可能性があることを示す臨床症状または徴候と定義できる
- イエローフラッグは、脊椎原性疼痛患者における慢性化への疑いを強める症状または徴候である
- イエローフラッグはしばしば、患者の心理社会的、あるいは社会経済的背景の中に見出される
- 脊椎の悪性腫瘍を示唆する症状は、夜間の持続的な、進行性に悪化する痛みである。横になっても痛みが緩和しないのは、良性の腰痛では普通みられない特徴である
- 単純な腰背部痛でレッドフラッグのない患者は症状がでてから最初の一ヶ月は、診断のための検査は何もする必要がない
- 長期にわたる安静を支持する、長期休職を奨励する、麻酔剤や鎮痛剤を見境なく使用する、受動的治療への依存を助長するといったことはすべて、慢性化のリスクを高める可能性がある。
- 危険な状態にある患者を過小にしか識別できないことも、故意ではないにしても障害を生じさせる強化要因となっているかもしれない。
- たとえば、働くことは有害だと患者が信じていることを理解し損なうと、彼らが不必要に社会的、職業的、あるいは余暇活動に参加しなくなるという良くない結果につながるかもしれない。
- 認知行動的要因が、活動しないことで助長される筋力低下や関節のこわばりのような重大な生理学的問題を生じさせる可能性がある点に注意することも重要である
- 慢性化のリスクが最大級の人を、「危機にさらされている患者」と表現することができる
- 第八章 アウトカム評価