線維筋痛症Fibromyalgiaの治療

西岡久寿樹 線維筋痛症Fibromyalgiaの治療 アディクションと家族 2010;27(2):100-105

  • FM 都市部に患者の分布が多い
  • 線維筋痛症診療ネットワーク131症例 秋田、青森、山形、新潟、滋賀、島根、徳島、香川県に診療施設がない
  • 線維筋痛症ガイドライン 2009
    • 線維筋痛症の病態を4つに分類
    • 第I群 比較的若い年齢層での発症例 著しい筋肥大ミオパチー様症状をともなった激しい痛みを訴える筋緊張亢進型
      • 通常寝たきりになった場合は、筋肉は廃用性萎縮となり使われないためにやせ細るが、線維筋痛症患者の場合は、あたかも短距離選手の大腿のようにパンパンに張って暑うや把握痛が著明に認められ、自発痛も訴える場合が多い。つまり通常は休息している間も痛みのために筋肉は弛緩と収縮を繰り返すことがわかる。
    • 第II群 腱付着部炎型
    • 第III群 うつ型
    • 第IV群 重複型
  • 筆者の臨床的観察では、ガバペンチンは広範囲の患者に効果を発揮する一方、プレガバリンはガバペンチンにくらべ効果を認める人とそうでないひとの個人差が強いという印象をうけている。
  • もうひとつのキードラッグになるのが、塩酸ピロカルピンである。

中村俊規 事故後の痛みについて アディクションと家族 2010;27(2):112-115

  • 事故によるトラウマの身体化である。それゆえ、積極的にトラウマケアを始めた
  • 父母への激しい恨みにも似た深層心理と、自我抑圧であった
  • 上記2症例をはじめ多くの症例と会ううちに、事故あるいは障害と関係する事故後の疼痛はかならずと言っていいほど、何か、抑圧された、恨みと関係すると思えてならない
  • 交通事故による受傷、脳腫瘍、脳血管障害、さまざまの原因で高次脳機能障害になるが、受傷そのものの心的トラウマは、深く深く、生育歴の中で人生の襞に避けようもなく織り込まれた当事者・家族の恨みと絡み合いながら、痛みとして出現する
  • ともあれ、こうした痛みに向き合うときには、精神科医としてよりも、むしろ人間としての深い理解と共感が必要なことはいうまでもないが、治療という場面においては、そんなものでさえ、何の役にも立たないということを知らねばならないのかもしれない。