一色俊行 痛みと心理 理学療法学 2000;15:99-103
- 身体的原因不明の痛みを「心理的痛み」あるいは、精神疾患によるものと決め付ける医療従事者が結構いるのである
- 痛み知覚には認知的側面が大きく関与している。認知的要素には、痛みを経験した際の状況、過去の痛みの経験、性格や理解力など個人的要因のほか、社会、文化、教育などの要因か関係する
- 情動と痛みの関連については、痛みが引き起こす情動状態という側面と、情動が痛みの近くを修飾するという2つの側面に区別して考えることができる
- 心理テストで急性(疼痛)患者は、心気症傾向、およびヒステリー傾向を示すことが認められ、慢性患者では、心気症傾向、ヒステリー傾向、抑うつ傾向が認められる。
- 幻肢痛
- 末梢説、中枢説、精神説
- 末梢から中枢への関連によって起こるとする説が考えやすい
- 慢性疼痛患者の心理は、疼痛がなくならず、不安と学習性の無力感の中で、次第に患者の関心は痛みだけとなり、日常生活は不活発となり、親しい人との付き合いや楽しみごとまで億劫となる。活動性の低下やうつ状態、引きこもりは廃用性症候群を誘発し、さらに痛みを増強する悪循環を形成する。