遅発性筋肉痛を引き起こす模擬実験

大道等、山本義哲 遅発性筋肉痛を引き起こす模擬実験 理学療法 2001;18(5):513-519

  • 筋肉がアクセルをかけるよりもブレーキの時、例えば階段を上る時より下ると際にこの痛みが発生しやすいことがわかっている
  • どうして伸張性収縮で筋肉痛が発生しやすく、しかも半日以降に症状が出てくるのかは生理学的にも詳細は不明である
  • サイクリングや水泳は主に短縮性収縮でなされるから、翌日以降の痛みはまずない。久しぶりのジョギングやハイキングは一歩毎に、着地後半はアクセルだが前半はブレーキなので筋肉痛は十分に起こり得る。登山では山頂まではアクセルだから山小屋では無痛だが、下りはブレーキばかりで下界に戻ってから苦しむことと相成る。
  • 筋肉の収縮様式には、筋肉の長さを変えずに力を発揮する等尺性(アイソメトリック)、筋肉を収縮させて力を発揮する短縮性(コンセントリック)、筋肉が引き伸ばされながら力を発揮する伸張性(エクセントリック)の3種類がある
  • エクセントリックな運動とは坂下りや階段の降りで、階段を下るときの下肢伸筋運動に典型的に現れる。まえへだした方の脚は体重を支えることにより、筋肉は引き伸ばされながら力を発揮している。
  • 大学生6名を15kgの荷物を背負って、上りと下りの2つに分ける。上りは辛そう。下りは1−2段抜きでおりていた。
  • 翌日下りのグループには地獄がまっていた。
  • 遅発性筋痛
    • 最近は結合組織の損傷が筋肉痛の原因だとする説が有力。損傷そのものよって痛みが起こるのではなく、その後の回復過程で炎症が起こり、それが痛みをもたらしている。
    • 乳酸は遅発性筋痛とは全く関係がない
  • 運動による疲労をいかに早く回復させるか
    • 安静/マッサージストレッチ、ホットパック/主運動に類似した軽運動を行う