- 認知行動療法にいたる疼痛理論の変遷
- 1964 デカルト 疼痛は感覚的体験の一つ。その程度はおおむね組織障害の程度に一致する
- 1959 Engel 器質的原因に乏しい痛みの訴えを心因性疼痛と名付けた
- 1965 Melzack & Wall gate control theory 疼痛体験は単に末梢から中枢への一方向の感覚でなく、中枢からの関与(感情や認知の要素)や脊髄後角での神経線維間の活動量の競合の結果である
- 1968 Fordyce 慢性疼痛患者が執拗に痛みを訴え続けるのは、その行動により、患者にとっての好ましい結果(例えば休息、補償金、家族からの介助、病院への通院などの心理学で強化因子と呼ばれる諸要因が得られるためだと考え、疼痛行動を無視した上で身体活動量をざん増しているプログラムを編み出した
- 1958 Fahmi 整形外科領域 back education その後Swedenでlow back school
- Loeser 疼痛体験がnociception(侵害刺激),pain(疼痛感覚),suffering(苦悩),およびpain behavior(疼痛行動)の4相からなるとした多相的モデルを提唱
- 1999 Melzack 疼痛の伝達と抑制に関するダイナミックなマトリックスモデルを提唱
- 疼痛は単に知覚体験や心理的要因に帰せるものではなく、身体ー心理ー社会的に包括的な理解が必要である
- 1986 IASPの疼痛の定義
- 実際のおよび潜在的な組織損傷に関係、あるいはそのような損傷に関連して述べられるような不快な知覚および情緒的な体験
- 慢性疼痛の診断
- 治療
- 著者の持論では慢性疼痛は過度の医療依存であり、軽症例では本人の身体痛みについての認知の変容だけで十分 一方社会経済的問題が絡んだり(疾病利得)、心理精神的な病理が重篤なケースでは個別ケースワークカウンセリングが必要
- プログラム施行上の留意点
- 慢性疼痛の脳内基盤