p75 古明地恭子、本田哲三 慢性痛に対する認知行動療法

  • 1982 Loeser 痛み概念モデル
    • 侵害刺激nociception, 痛みpain, 苦悩suffering, 疼痛行動 pain behavior
    • 侵害刺激、痛み、苦悩は個人の内面的な感覚や感情で、他者が知ることはできない
    • われわれは患者の痛みや治療効果を評価する際、患者の訴えや表現などの疼痛行動をもとにしている
    • 行動は環境や情動に影響されるので、疼痛行動には患者の心理的社会的問題が反映されている
    • 慢性疼痛患者の治療では、痛みだけでなく、身体的、心理的、社会的問題にも注目が必要
  • 認知行動療法
    • Fordyce
      • 慢性痛の治療にはじめてオペランド学習理論を導入
      • 行動療法では、望ましくない疼痛行動を減らし、好ましい行動の頻度を増やすことを目標
      • 一般に行動は減少させるよりも、強化する方が簡単である。その行動と同時にできない別の行動を強化
      • 人の行動はその人の予想予期によって影響を受ける
  • 認知療法
    • 認知療法は、われわれがそのような状況をどのように捉えるか(認知)、考えるか(思考)によって、感情や行動が引き起こされるという理論をもとにしている
    • 予期不安の強い症例
    • 否定的な破壊的な思い込み(この痛みは絶対によくならない。何をしても無駄だ)をもつ患者には、認知再構成法(否定的な考えを認知して修正することを教える)を用い、痛いけどもやれる、生活をたのしめるという建設的な態度に改める
    • 1965 Gate control theory bt Melzack & Wall 痛みは主観的な感情であり、組織損傷などの侵害刺激だけではなく、考えや感情いよって影響される