波平 恵美子 医療人類学からみた痛み2 痛みを伴う人の生活世界の変化とその過程 痛みと臨床 2006;6(2):235-240
- 慢性の痛みを患う人は、痛みが生活のすべてになり経験のすべてになる。そのため、自分がそれ以前には社会的世界とつながっていたはずの経験的世界を持続的なくなり、世界との相互関係が失われる
- 日常生活の最も基本的な前提とは、周囲の人々と同一の世界に生きることであり、自分が経験する世界とは他者と共有しているということである。しかし慢性の病を患う多くの人は、そのことを疑わざるを得ない状態に陥る
- 現在痛みを身体的痛み、精神的痛み、魂の痛みの三つに分ける見方があるが、現象学的立場からすると、痛みを分けること自体が患者の世界を誤解することになりかねない
松岡綋史、坂野雄二 認知行動療法2 痛みをどう扱うか 痛みと臨床 2006;6(2):241-246