堀越勝 医療コミュニケーションのトラブルシューティング 医療安全 2010;23:14-17
- 頻繁におこるコミュニケーションのトラブル
- 1 聞いてくれない 2 言いたいことが伝わらない 3 喧嘩になってしまう
- 解決法1
- 会話のリズムを変える方法、聞いた内を暗示する言葉を少なくする方法返事を少し遅くすることで、会話に間が生じるが、実はその間に穏やかさや聞いてもらっている感が潜んでいるのである。
- それにうなずきを加えると、なお効果が高まることが報告されている
- 解決法1-2
- 相手の言葉を聞いていないことを暗示している言葉 「でもーー」「しかしーー」「そうじゃなくてーー」自動的に相手の言葉を否定している言葉で、こうした言葉を多く使えば相手の聞いてもらっていない感は増大する
- 「なるほどーーー」「つまりーーー」「ということはーーーですね」などには、言葉自身に「聞いています」のメッセージが内在しており、聞き手の聞いてもらった感は増大する
- 解決法2
- 医療現場で事実・数字レベルのコミュニケーションが重視される。
- 事実・数字は受け取る側にとっては痛い(感情)真実であるということである。
- 結果的に真実をどれだけ相手が受け入れやすいように伝えるかが、医療コミュニケーションにとって重要な課題となる。
- 痛みを和らげる麻酔は手術間に行うものである。同様に、相手に痛い情報を渡す前に、何らかの工夫を施す必要がある痛い真実を受け入れたくない患者の多くは主観的な考えや信条、さらには感情のレベルのコミュニケーションに固執することが多いこの食い違いを打破するためには医療従事者が一度、先方のレベルに移動し、理解を示すという作業を先に行ってしまうと、その後の道筋がスムーズに進みやすい。
- 共感は相手と同じレベルに移行する作業の代表的なものであるが、先に共感を示し(麻酔をかけてから)、痛い真実を示すほうが相手にとっては受け入れやすい
- 解決法3
- 人間関係の原則として、人は押せば押し返してくるか逃げるかの行動に出る 押し返してくる場合は暴力に訴えることもある。逃げる方では話題を変える 立ち去るなどが典型的な行動となる
- コミュニケーションが原因で喧嘩になってしまう場合、相手を言葉で押してしまったことに対して、押し返してきた相手を再度押してしまうという悪循環がげんいんとなっていることが多い
- ラポールを築くには、まず、挨拶をしてコミュニケーションをスタートさせ、早い時期に、相手に心を開かせる必要がある
- 心が開いたかどうかを知るには会話の中の言葉のサインを探せばいい
- そのサイン言葉とは「そうなんです」を意味する言葉である
- 逆に心が開いていないことを知らせるサイン言葉は「 しかし」を意味する言葉である
- キュウに気ずいてKEAする
- キ 気ずく 相手が発信するキュウにきずく
- ユ 言う 気ずいたことを言い表す
- ウ 受け入れる 初めてのうちは相手の感情を受け入れる
- K 感情を追いかける
- E 言い換え つまり ということですね
- A 明らかにする 明確化する