Difficult patient/non-adherence/身体症状症

鋪野紀好、生坂政臣: 第1回怒っている患者を理解する. レジデントノート, 19;2634-2640.

  • DIfficult Patientとは、担当医に強い陰性感情、すなわち「イライラする」「嫌だ」といった感情を引き起こす患者と定義されます。諸外国におけるプライマリケア・セッティングでの調査ではdifficult Patientは外来患者の15%を占めるとされ、良質な患者中心の医療の実現には、その対応法の習得が必要となります。
  • Difficult Patineへの対応には、陰性感情を感じる要因を客観的に分析することが重要になります。
  • 患者の感情変化をすばやく察知し、怒りの原因をとくていすること 
  • 深呼吸して一旦冷静になる
  • アンガーマネジメントでは自分の怒りのピークは6秒以内
  • 共感 患者がおこっている感情を正当化し、その感情を理解したことを伝える

鋪野紀好、生坂政臣: 第2回ノンアドヒアランスの患者を理解する. レジデントノート, 2804–2810.

  • 患者が医師から勧められた必要な検査や治療に従うことができないことをノンアドヒアランスという
  • ノンアドヒアランスの原因は、コミュニケーション不足、検査や治療の重要性についての理解不足、信頼関係の欠如、医療者のパターナリズム、費用が高額、不規則なスケジュール、医療へのアクセスの悪さなどがあります。
  • 効率的なコミュニケーション 文章を用いた情報提供、専門用語を日常的に用いない、患者が理解していることを確かめる
  • “I message”の活用 主語を”私”に置き換えて述べるコミュニケーション技法
  • 例 私が家族か患者だったら腰椎穿刺はかならず行うと思います

鋪野紀好、生坂政臣: 第3回身体症状症患者を理解する. レジデントノート, 19;3236-3244.

  • 身体症状症とはさまざまな身体症状が慢性的にそんざいするものの、適切な診察・検査をおこなっても身体疾患では十分にせつめいできず、また、症状につよくとらわれるようになり、強い苦痛や日常生活への支障がみられることを特徴とする疾患。
  • sick role(病者の役割)
    • 病者は種々の社会的責務を免除され、医師はそれらを保証し合法化する役割をはたす
    • 病者は病気や自己の置かれた立場に責任をもたず、他人の援助を受ける権利がある
    • 病者は早く回復しようと努力しなければならない
    • 病者は専門的援助を求め、医師に協力しなければならない
  • 身体症状症患者への効果的な対処方法
    • 定期的な診察を組む
    • 問題点を絞って話をする
    • BATHE techiniqueを用いる backgroud/affect/trouble/handle/empathy
    • 疼痛閾値神経科学的な説明
    • 不要な検査や紹介を避ける
    • 患者の努力を支持し、できることを増やす