慢性および亜急性疼痛の3症例

栗山陽子、北原雅樹、津田佳代子、宮内佳代子、大村昭人 慢性および亜急性疼痛の3症例―環境・経済要因の際立った例 日本ペインクリニック学会誌 2007;14(2):123-127

  • 様々な治療法を組み合わせても、約4ヶ月間変化の見られなかった症状が、ある日を境に突然改善を始めるという経過は考えにくい。今回も、その「突然の改善」に注目して問診したところ、「訴訟開始日時の決定」という重要なkeywordを得ることができた
  • 係争中の訴訟が慢性疼痛の治療に悪影響を及ぼすことが多いことは、欧米では以前から痛切とされており、結果もでている
  • 患者の生活が家族(配偶者と長男)に振り回されて、疲労感が常にあることを訴えていた→ここを介入
  • 心理社会的アプローチとは、患者に身体症状だけではなく、患者を取り巻く社会環境と心理状態を把握(心理社会的リスクの評価)し、状況を改善すべく働きかけていくこと(説明、説得、心理および社会環境の改善)を指す。