脊椎のリハビリテーション 上巻 5

  • 第九章 慢性化の心理社会的リスク要因の評価 イエローフラッグ
  • 急性腰痛の経過は必ずしもよくない。慢性化が完全にあきらかになるのを待ってその人だけを治療するのでなく、そのリスクのある人の慢性化を予防する方が費用効果率がよいというエビデンスが蓄積されつつある。
  • 急性腰痛患者のうち、慢性の軽減しない痛みと障害をもつようになるのはわずか7%であり、このグループが治療費の大部分をしめている。急性痛が慢性痛になる潜在リスク要因を明らかにすることが、腰痛研究の「究極の目標」となる
  • 残念なことに高価なスクリーニング方法(画像検査)は特異性が低いため、非効率に資源を活用していた。
  • 慢性障害に影響を及ぼす4つの主要要因 個人、治療提供者、保障または医療制度、職場または家庭の環境
  • 亜急性期は、より積極的なマネジメント戦略が慢性的な痛みと障害の予防、ひいては治療費削減に大きな影響を及ぼす可能性がある重大な時期と考えられる
  • 心理的要因 対処方略、自己効力感、恐怖回避行動、精神的苦痛などの心理的特性
  • Shultz 腰痛による3か月にわたる休業の予測因子として、認知的要因がもっとも重要であることを明らかにした
  • 治療の主要な目的の一つは、痛みに関連して生じる活動不耐性を軽減することである。
  • Troup 痛み恐怖が続けば、それを明確に認識して治療しない限り、痛み回避、さらには不使用へとつながるのは避けられない
  • 「レッドフラッグ」は緊急の処置、追加の検査、場合によっては専門医への照会を必要とするのに対し、「イエローフラッグ」が必要とするのは治療の焦点を移動することだけである。
  • Waddellの非器質的腰痛徴候 腰痛患者の異常な心理社会的問題を評価するための客観的尺度として用いられる。慢性腰痛の患者が仕事に復帰できないリスクについてより広範なアセスメントをする上で欠くことのできない要素である。九世の患者に対して実施すべきではない
  • イエローフラッグの評価 一か月を目途に行うのが妥当な「デシジョンポイント」と考えられる
  • 第十章 筋アンバランスの評価