エビデンスとガイドライン

星地亜都司 エビデンスガイドライン からだの科学 2010;266:74-78

  • 医師は最新のエビデンスを知った上で診察にあたるべきではありますが、エビデンスガイドラインに記載されていることがすべての患者にあたはまるわけではありません。
  • ヨーロッパガイドライン 慢性非特異的腰痛管理
    • http://www.backpaineurope.org
    • 予後規定因子
      • 急性腰痛患者に対する職場の支援が乏しいと慢性化しやすい[強力なエビデンス]
      • 慢性腰痛により欠勤期間が長期化すると職場復帰が難しくなる [強力なエビデンス]
      • 心理社会的な苦悩、抑うつ気分、患者自身の期待、極端な患者愁訴、腰痛の既往歴は慢性化の予知因子である[中等度のエビデンス]
    • 勧告 指導者の下での運動療法は推奨できる
    • 勧告 マッサージ療法は慢性腰痛治療には推奨できない
    • 勧告 腰痛学校 短期的な改善を目的とするならば採用して良い
    • 勧告 慢性腰痛患者に認知行動療法は推奨できる
    • 勧告 集学的治療 単一の治療を選択して治療効果が得られなかった慢性腰痛患者に対し、推奨できる
    • 勧告 抗うつ薬 疼痛緩和の併用療法として考慮して良い
    • 勧告 NSAIDs 3ヶ月までの有効性については強力なエビデンスがあるので推奨できるが、副作用を考慮せよ
    • 勧告 鍼治療 慢性腰痛の治療としては推奨できない
    • トリガーポイント注の短期的有効性については、相反するエビデンスがあるため推奨はできない
  • コクランライブラリー the Cochrane Library
  • 英国クリニカルガイドライン 急性腰痛管理
  • 日本の腰痛診療ガイドライン 2011春ころ

恩田啓、紺野慎一 薬物療法 からだの科学 2010;266:79-82

白土修 運動療法 からだの科学 2010;266:83-88

  • MRIは、椎間板や神経根など軟部組織の描出にすぐれており、骨性要素の変化も、早期に検出可能な画像診断です。しかし、一般に画像上の退行性変化と、腰痛という症状には相関のない場合も多く、腰痛の原因検索が困難な点がここにあります。すなわち、腰痛症においては、厳密にどの高位の、どの解剖学的部位から腰痛が生じているかの決定は、ときに困難です。
  • 腰痛症に対する運動療法の意義
    • 下肢・体幹の柔軟性、筋力、筋持久力、心循環器系機能(フィットネス)の4点の維持ならびに改善させること
  • 近年のEBMでは、3日以上の安静は避けるべきとされ、可及的早期に低不可の腰痛体操から開始すべきといわれています。
  • 腰痛症患者への生活・運動指導 腰磨きの勧め
  • Japan low-back pain exercise therapy study